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喘息吸入薬で死亡リスクが増大(2006.06.08掲載)

Image 一部の喘息吸入薬に関する議論が以前から続いているが、新たなデータの見直しにより、この吸入薬が喘息による死亡リスクを3倍以上に増大させるという結果 が報告された。問題の薬剤は、長時間作用性β(ベータ)刺激気管支拡張薬と呼ばれるもので、気道の筋肉を弛緩させて呼吸を楽にする作用をもつ。サルメテ ロール(商品名:セレベント)やサルメテロールにステロイド薬を配合したAdvair(日本では未発売)など人気の薬剤がこれに該当する。

米医学誌「Annals of Internal Medicine」7月4日号に掲載のこの知見は、米スタンフォード大学(カリフォルニア州)医学部臨床教授Shelley Salpeter博士らによるもの。Salpeter氏らは、3万4,000例近い被験者を対象とする19の喘息薬に関する試験について、幅広い「メタ分析」を実施した。

そ の結果、長時間作用性β刺激薬を使用した群の入院リスクはプラセボ(偽薬)群より2.6倍高く、生命を脅かす合併症のリスクは1.8倍高かった。死亡リス クは3.5倍高かったが、死亡例は極めて少数であるため、この数字の「信頼性」には限界があるという。それでも、この結果から、年間5,000人に上る喘 息による死亡者のうち4,000例がサルメテロールによる可能性があるという。

Salpeter氏は、「この薬剤の使用は避けるべき」と結論付けているが、別の種類の気管支拡張薬である抗コリン吸入薬については、「極めて安全かつ有効」と述べている。

こ れに対し、米タフツ大学(マサチューセッツ州)医学部教授Jeffrey Glassroth博士は、長時間作用性β刺激薬には確かに危険性もあるが、それでも一部の人にとっては有用であると指摘。「この薬が第一選択ではないこ とを示す現行のガイドラインにもっと厳格に従うべき。最初に用いるべき治療法はほかにあり、多くの患者にとってはそれ以上のことは必要ない」と述べてい る。

今回の研究からは、この薬剤によるリスクが特に高い集団(アフリカ系米国人など)が存在することも示された。理由はわかっていないが、遺伝的因子による可能性があるという。

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