若い女性は要注意(2006.06.15掲載)

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Image潰瘍性大腸炎の手術が不妊のリスク高める

潰瘍性大腸炎の女性患者で、大腸を切除して小腸と肛門につなぐ手術を受けた人は、薬物療法だけの人に比べて不妊率が約3倍高いことが、米国の研究で明らかになった。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症を起こし潰瘍やびらん(ただれ)をつくり、軽快と悪化を繰り返す原因不明の慢性疾患で、比較的若い年齢層に発症しやすい。症状は下血、下痢、腹痛などで、長期化すると大腸がんが合併する危険性もある。

薬での治療が基本だが、重症や薬が効かない場合に手術が必要となる。手術は炎症が起こる大腸全体を切除するのが原則であるが、切除後現在は人工肛門の代わりに便をためる袋を小腸で作って肛門につなぐ、回腸嚢肛門吻合術(IPAA)が普及してきている。

潰 瘍性大腸炎の女性患者の不妊率は一般女性と変わらないとされているが、IPAA施行患者では不妊率が高いことが経験的に知られていた。研究者らは、 1989年から2004年に潰瘍性大腸炎の女性患者の不妊について調べた7つの調査結果をまとめて解析した。その結果、薬だけの治療を受けていた患者の不 妊率は15%と一般女性と差が認められなかったが、IPAAを受けた患者では48%と約3倍になっていた。

研究者ら は、「IPAAに伴う不妊の原因として、手術の際の骨盤内の操作が卵管の閉塞を引き起こした可能性が考えられる。現在は有効な新薬も開発されており、医師 は若年女性に対してはIPAAを受ける際のメリット、デメリットを十分に説明し、手術適応を考えるべきである。今後、IPAAを受けた女性の中でもどのよ うな場合に不妊を引き起こしやすいのか、研究を進めたい」と延べている。

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