やせるための複雑な経路(2006.07.20掲載)

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Image脳内化学物質が食欲を調節

やせたいと希望する女性は後を絶たず、またやせ薬と称する市販薬は山ほど存在するが、フェンフェン(Fen-Phen)のような食欲抑制作用のある薬が、脳内化学物質であるセロトニンを活性化することにより効果を示すことが、マウスを用いた米国の研究で明らかになった。

フェンフェンは、フェンフルラミンとフェンタミンを一緒に飲む方法で、食欲が抑制されて痩身(そうしん)効果があるとされたが、危険な心臓弁に対する副作用が問題となり、1997年に米食品医薬品局(FDA)により使用が禁止された。

研 究者らは、薬剤の服用により食欲抑制がどのような物質や経路の関与で起こるかを調べた。種々の薬剤を用いてマウスの脳内のセロトニンレベルを測定したとこ ろ、セロトニンが食欲を抑制するために脳内のある種のニューロンとメラノコルチン4と呼ばれる受容体(MC4Rs)を活性化し、同時に通常は食欲を増進す る他のニューロンを遮断していた。

研究者は「この研究はメラノコルチン経路(パスウェー)が食べる量、体重、ブドウ糖 に影響する重要な経路であり、感情や睡眠を調節するセロトニンのこの経路への関与を示唆している。これらのメカニズムを知ることにより、食欲だけを抑制し て重篤な副作用のないより安全な薬剤の開発が容易になるのではないか」と述べている。

専門家は「このような脳内化学物質の作用経路などのメカニズム(仕組み)を解明する研究により、過食や喫煙などの悪い生活習慣の改善を助ける薬の開発も可能となるが、薬に頼る前に個人の生活習慣改善の自覚が一番大事である」と指摘している。

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