ハーセプチンが早期乳がん患者の生存率を改善(2007.2.5掲載)

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Imageハーセプチン (一般名:トラスツズマブ)と呼ばれる抗がん薬が、一部の早期乳がん患者において、手術後の治療(術後補助療法)に用いることにより、生命予後を改善させることが英国の研究で明らかになった。 乳がん患者の約15~25%では、がん細胞表面にHER2/neuという蛋白(たんぱく)が過剰に発現している。検査をして、このHER2/neu蛋白が陽性の乳がんは再発や転移しやすく、予後が不良とされている。ハーセプチンはがん細胞の表面にあるこの蛋白の受容体に結合することにより、がん細胞の増殖を抑制する働きがある。

今回の臨床試験は、HER2/neu陽性早期乳がんに対するハーセプチンの術後補助療法としての有効性をみる、世界39カ国480施設での大規模調査。外科手術と化学療法の後、約1年間ハーセプチンの投与を受けた1,703人と受けなかった1698人を2年間追跡調査し、比較検討した。調査期間中の死亡はハーセプチン投与群では59人と、非投与群の90人に比べ有意に少なかった。以前の中間報告では、ハーセプチンは再発リスクを下げることが判明していたが、今回初めて生存率の改善が示された。

乳がん治療において、追跡調査2年という早期での生存率の改善が認められることはまれである。他にはこれまで標準的に使用されているタモキシフェンだけである。ただし、ハーセプチンには重篤な副作用として、心毒性による心不全がある。特にある種の抗がん薬との併用でそのリスクが高まることが知られており、基礎疾患として心臓病のある患者には注意が必要である。

専門家らは「ハーセプチンによる心不全の発生率は低く、有用性の方が勝っている。今後、乳がんの標準治療法が劇的に変化することが予想される」と述べている。
(Health Day News  1月4日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=600711

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