合理的な選択肢(2007.4.30掲載)

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Image閉経前女性のホルモン療法は心臓病リスクを高めない

ホルモン補充療法(HRT)は、更年期の諸症状を緩和するためにエストロゲン(卵胞ホルモン)を単剤かプロゲステロン(黄体ホルモン)との合剤で服用するが、閉経前の女性に10年以内のHRTを行っても心血管病のリスクは増えないことが、米国の研究で明らかになった。

HRTは、かつては高齢女性の心血管病予防にも役立つと考えられ、米国では広く行われていたが、50-79歳の閉経後の女性を対象とした大規模な臨床試験の結果、「長期のHRTは心臓発作、脳卒中、血栓症、乳がん、喘息(ぜんそく)などのリスクを上昇させる」という成績が2002年に発表された以降は、「HRTは重度の更年期症状に対し、極力短期間に最小用量で行うこと」が推奨されている。

研究者らは、この大規模臨床試験の成績を再度細かく分析。その結果、閉経前10年以内にHRTを行った女性では、行わなかった女性に比べてわずかに心血管病の発症が少なかった。しかし脳卒中のリスクは全体で32%増加しており、年齢による差は認められなかった。また高齢女性で、更年期症状があるため長期にHRTを行っていた女性では、心血管病リスクは上昇していた。

閉経は通常50-59歳で訪れるが、その10年くらい前から更年期症状が現れることがある。専門家は「今回の新しい研究結果から、閉経前に顔のほてり、動悸、寝汗、不眠など各種の更年期症状に悩む女性が、4-5年HRTを行うことは、合理的な選択肢の1つといえる。個々の女性によって便益性とリスクのバランスが違うので、更年期症状に悩む女性は、主治医と良く相談してHRTを行うか否かを決めるべきである」と述べている。
(HealthDay News 4月3日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=603368
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