きっかけを減らす(2007.5.21掲載)

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Imageホルモン補充療法の減少に伴い乳がん発症率が低下

2002年に、ホルモン補充療法(HRT)による健康障害が報告されて以来、その使用が大幅に減少しているが、それに伴い乳がんの発症率も減少していることが、米国の研究で明らかになった。

HRTは高齢女性の心血管病や認知症の予防のために米国では広く行われていたが、閉経後の女性を対象とした大規模臨床試験の途中で、「長期のHRTは心臓発作、脳卒中、血栓症、乳がん、喘息(ぜんそく)などのリスクを上昇させる」ことが明らかになり、試験が中止された経緯がある。以後「HRTは重度の更年期症状に対し極力短期間に最小用量で行うこと」が推奨されている。

調査によると、HRTを行っていた女性は2001年には約6,100万人いたが、試験中止に伴い多くの女性がHRTを中止し、2002年は4,700万人、2003年は2,700万人、2004年は2,100万人と年々減少傾向にあった。

これに対し、乳がん患者数は、1975-2000年に急激に増加、マンモグラフィ(乳房X線検査)普及による影響を差し引いても約30%増加していた。しかしHRTの使用減少に伴い、2004年の乳がん罹患率は2001年に比べ8.6%減少。特に閉経女性のエストロゲン受容体陽性(ER+)の乳がんの減少率は14.7%と、同受容体陰性(ER-)乳がんの減少率1.7%に比べはるかに大きかった。

専門家は「おそらくHRTは乳がんを起こす原因ではなく、存在する乳がんに注ぐ燃料のようなものであろう。HRTがすべての女性で使用禁止というわけではなく、顔面紅潮(ほてり)など更年期の諸症状に悩んでいる女性が、短期間HRTを行うのは大方安全といえる。HRTを行うかどうかは、症状の重症度とそれによる生活の質の低下度や他疾患のリスクの程度などによって、症例ごとに判断されるべき」と述べている。
(HealthDay New 4月18日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=603824
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