リスクの高い女性は要検討(2007.6.18掲載)

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Imageアスピリンが妊娠合併症予防に有効

妊娠合併症である子癇(しかん)前症を起こすリスクの高い妊娠女性が、低用量のアスピリンを服用することによってそのリスクが低下することが、オーストラリアの研究で明らかになった。

 

妊娠中にのみ高血圧になる場合を妊娠高血圧といい、そのうち重症な場合を子癇前症という。子癇前症では血圧の急上昇や血流異常が起こるため血小板の働きが強まり、血液が粘りついたり血栓ができて血流が遅くなる異常をきたし、このため胎盤、腎臓、肝臓、脳を障害することもある。それがさらに重症になると子癇と呼ばれ、妊娠時死亡の主要原因となる。

研究者らは、31報の子癇前症予防試験を分析した。全部で3万3,000人近い女性とその新生児を含み、この中で妊娠時にアスピリンを服用した女性の典型的用量は1日50-150mgであった。アスピリン服用女性は、服用しなかった女性に比べて子癇前症を発症する確率が約10%低く、また34週前の早産のリスクも低かった。またアスピリン服用によって死産、低体重児、母子双方の出血リスクは高くなっていなかった。

研究者は「子癇前症は妊娠女性全体の約2-8%に発症し、世界中で毎年約50万人の妊娠-出産時母親の死亡の約10-15%が子癇前症に関連して起こっている。アスピリン服用で子癇前症が多少なりとも予防されることから、子癇前症のリスクの高い女性は、同薬服用の功罪について主治医とよく話し合って検討すべきであろう」と述べている。

一方、ある専門家は「アスピリンの子癇前症予防効果は期待より低かったが、子癇前症のリスクとしては、高血圧、妊娠前の糖尿病、前回の妊娠時の子癇前症などがあり、これらの人が子癇前症になるリスクは約20%なので、このようなリスクの高い女性はアスピリンを服用すべきであろう」と述べている。
(HealthDay News 5月17日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604671
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