悪性度診断の新しい指標(2007.6.18掲載)

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Image乳がん周囲組織の遺伝子特性が予後を教えてくれる

体内の臓器の内部や外側、あるいは臓器の隙間を埋めている部分は間質(支質)と呼ばれる。通常、結合組織で構成されるが、乳がん細胞周囲の間質の遺伝子的特徴から、がんの進行速度、悪性度など予後を予測できる可能性があることが、米国の研究で明らかになった。

研究者らは、220の乳がんの間質および上皮細胞(がん細胞の表面粘膜)のDNAを分析した。その結果、間質の7つの異なる染色体上の8つの遺伝子マーカーが、がんの進行度やリンパ節への転移状況などがんの性質に関連していた。これとは対照的に、上皮細胞の遺伝的特性とがんの進行状況や性質とは何の関連性も認められなかった。

研究者は「今後さらに多くの乳がん症例でこれらの関連性が確実かどうか検証する必要があり、臨床応用されるまでにはまだ長い年月が必要であるが、間質の遺伝子的特性はがんの悪性度診断の新しい指標の1つとなる可能性がある」と述べるとともに、「今でもがんはすべて同じと考える人がいるが全くそうではなく、特に散発性がんは非常に多様で、各個人のがんに対し最適の治療法を判断するのは難しい。さらに間質の特性を知ることにより、標的治療や予防医学が可能となるかもしれない」としている。

専門家は「今回、間質と癌予後の関連性が示されたことにより、間質の役割の研究は、多様ながんの性質を研究する上で今後重要となるであろう」と述べている。
(HealthDay News 5月15日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604617
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