新しいホルモン療法(2007.6.25掲載)

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Imageホルモン受容体陽性の乳がんに効果

比較的若い女性におけるホルモン受容体陽性(+)の乳がんの再発予防に、新しいホルモン療法が有効であることが、英国の研究で明らかになった。

乳がんには、がん細胞の表面にエストロゲン(卵胞ホルモン)受容体が存在するタイプがある。この場合、エストロゲンががんの増殖を促進するため、手術や化学療法、放射線療法後に再発や転移の予防を目的にホルモン療法が行われている。長年使用されてきたエストロゲン受容体拮抗薬であるタモキシフェンは、最近の研究で、心血管系疾患や子宮内膜がんなどのリスク上昇が問題となっている。

エストロゲンは、閉経前の女性では主に卵巣で合成され、閉経後の女性では副腎から分泌される男性ホルモンが酵素によって変換して合成される。閉経前は、視床下部から放出される黄体化(形成)ホルモン放出ホルモン(LHRH)が脳下垂体を刺激して黄体化ホルモンが分泌されることで卵巣からエストロゲンが産生される。LHRHアゴニスト(作動薬)は黄体化ホルモンの作用を真似することにより、エストロゲン産生のシグナルを阻害する。

研究者らは、1万2,000人近い閉経前の早期乳がんの治療成績を分析したところ、LHRHアゴニストはエストロゲン受容体陽性(ER+)例に対し化学療法と同等の再発予防効果が認められた。また40歳未満のER(+)例に対し、LHRHアゴニストは化学療法かタモキシフェンとの併用で、再発リスクを13%、再発による死亡リスクを15%軽減した。

研究者は「乳がんの約4分の1は閉経前の女性で起こっている。今回の結果から、閉経前のER(+)乳がん患者に対し、現行の化学療法やタモキシフェンによる治療にLHRHアゴニストを追加することが勧められる」と述べている。
(HealthDay News 5月18日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604758
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