治療法が前進(2007.6.25掲載)

share on:

Image女性の尿失禁の手術法

尿失禁に悩む女性は意外と多いが、中でも、せき、くしゃみ、走る、重いものを持ち上げるなど、お腹に圧力がかかると尿が漏れる腹圧性尿失禁が女性では大半を占める。数ある手術法の中で、スリング法がバーチ法よりも治療効果、副作用ともに高いことが米国の研究で明らかになった。

 

骨盤内の臓器を支える骨盤底筋群という筋肉と靭帯が、妊娠-出産や加齢などの影響でその支えが弱まり、膀胱や尿道が本来の位置からずれて尿もれ防止機構がうまく働かないのが、腹圧性尿失禁の原因と考えられている。

主な治療法は、骨盤底筋体操、薬物、手術であるが、中等症-重症で体操の効果がない場合手術が行われる。スリング法は、患者自身の腹部筋肉の膜を用いて膀胱頸部や尿道を吊り上げて支える方法、一方、バーチ法は膣壁を靱帯に縫い付け、尿道を持ち上げる方法で、両方とも下腹部を切開し1泊の入院を要する。

研究者らは、2種の手術例655例を比較したところ、術後2年後も失禁のない例はスリング法で47%、バーチ法で38%、腹圧性尿失禁例に限ると66%と49%、また治療結果に満足している率は86%と78%で、いずれもスリング法が優れていた。一方、副作用は、スリング法の方が高く、再手術例はスリングで19例あったのに対し、バーチでは1例もなかった。

最近、このスリング法で本人の筋膜の代わりに合成素材のメッシュを用いる方法が開発され、局所麻酔で小さな切開だけで短時間で済み、通常、その日のうちに帰宅できる利点があることから広がりを見せている。現在、この新法と従来のスリング法およびバーチ法との比較試験が進行中である。

全米で尿失禁に悩む人は1,300万人以上でその大半は女性。治療法も年々進み、ほぼ9割の人が治療可能であり、仕事やスポーツ、性生活も改善され生活の質がより高くなるので、医師への受診が勧められている。
(HealthDay News 5月21日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604787
Copyright © 2007 ScoutNews, LLC. All rights reserved.