閉経後早期乳癌の再発予防、全生存率の改善においてレトロゾールはタモキシフェンよりも有効(2012.3.7掲載)

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乳癌治療薬レトロゾール(商品名:フェマーラ)は、閉経後のホルモン受容体陽性(ER+)早期乳癌患者の乳癌再発予防および全生存率改善において、タモキシフェンよりも有効であることが新しい研究によって示された。

ホルモン受容体陽性乳癌はエストロゲンにより増殖し、その遮断が再発予防に有用である。レトロゾールは、アロマターゼと呼ばれる酵素の働きを阻害してエストロゲン産生を抑制するアロマターゼ阻害薬の一つ。タモキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーターで、特定の組織ではエストロゲンのように作用し、別の組織、主に乳房ではエストロゲン作用を示さない。

医学誌「Lancet Oncology」オンライン版に10月21日掲載された今回の研究は、フェマーラの製造販売元であるノバルティス社の資金提供を一部受けて実施され、今回は米ダナ・ファーバー癌研究所(ボストン)のMeredith Regan氏らにより論文化されたもの。閉経後乳癌患者約8,000人を対象にレトロゾールおよびタモキシフェン5年間の単独投与とその逐次的治療(sequential treatment)を比較する現在進行中の臨床試験の最新データが示された。

最新データによると、レトロゾールは乳癌の再発抑制および全生存の改善の点でタモキシフェンよりも優れ、同薬の5年間の単独投与はタモキシフェン後に投与した場合よりも有効であった。平均8年間の追跡調査の結果、術後療法として5年間レトロゾールを単独投与した患者ではタモキシフェンを単独投与した患者に比べて再発リスクは20%、死亡のリスクは21%低減した。逐次的治療において、タモキシフェン後にレトロゾールを投与してもその逆の順序でも、タモキシフェンではレトロゾールと比べて再発または死亡の可能性の有意な低減はみられなかった。

米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク)のStephanie Bernik博士は「レトロゾールの単独投与が最良の方法である」と述べるとともに、現在タモキシフェンを投与中の患者のアロマターゼ阻害薬への変更については医師と話し合うよう勧めている。米シアトル癌ケア連合(SCCA)のHannah Linden博士は「今回の研究は、これらの薬剤を服用することが重要であることを強調している。しかし、これは副作用がないということではない」と指摘している。

別の専門家は「一部の患者はアロマターゼ阻害薬による関節痛やその他の厄介な副作用を報告し、タモキシフェンに戻さざるをえないが、これらの症例ではアロマターゼ阻害薬投与がしばらくは有益である。各患者に対し、副作用と耐性をもとに治療を個別化することができる」と述べている。(HealthDay News 10月21日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=658086
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