乳癌治療の進歩の恩恵は高齢女性患者には行き渡っていない(2012.3.7掲載)

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米国の高齢女性では乳癌の死亡リスクが若年女性よりも高く、過去30年間の乳癌治療の進歩による恩恵を受けていないことが、新しい研究で明らかになった。

米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(ヒューストン)の研究者らが1980~2007年の米国疾病管理予防センター(CDC)の “National Vital Statistics Reports”などのデータを分析。その結果、1980年代の乳癌の死亡率は20~64歳の女性では安定した状態であったが、65歳以上の女性では上昇していた。また、1990~2007年の間には、マンモグラフィーの普及やホルモン補充療法(HRT)および術後補助化学療法により、20~49歳の女性の乳癌死亡率が最も大きく減少(2.4%/年)していた。その一方で、減少幅が最小だったのは75歳以上の女性(1.1%/年)であった。

「乳癌の急速な広がりを考慮して、高齢女性に最適な治療法を開発するための研究に注力し、治療に耐えられる患者の予測方法を検討してより効果の高い治療法を開発する必要がある」と、筆頭著者で同大学放射線腫瘍科助教授のBenjamin Smith氏は述べている。

本研究では、乳癌死亡率は経時的に顕著な変化を示すことが明らかになった。例えば、1980~1984年では、75歳以上の女性は乳癌死の10年絶対リスクが最も低く(24%)、一方75歳未満の女性ではリスク幅は29~31%であった。しかしながら、1995~1997年には同リスクは75歳以上の女性では17.3%であったのに対し、75歳未満の女性では15.4~16.6%と大幅に低下していた。

また、黒人女性の乳癌患者の2006年の死亡率は、白人女性に比べて38%高かった。「人種を問わず最高年齢層の女性、また年齢を問わず黒人女性は、乳癌治療の進歩による恩恵をさほど受けていない」とSmith氏は述べている。研究は、医学誌「Journal of Clinical Oncology」オンライン版に11月7日に掲載された。

米国癌協会(ACS)によると、2011年には23万人超の米国人女性が乳癌と診断されるとみられている。Smith氏は「その内の約4万人は75歳以上であり、この年齢層が、乳癌集団の中で最も急速に拡大しているセグメントになる」と述べている。(HealthDay News 11月8日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=658712
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