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ヘルスデーについて/

幹細胞技術による老化T細胞の若返りが、HIVや癌の治療に役立つ可能性(2013.7.17掲載)

将来、幹細胞技術が疲弊した免疫細胞に新たな生命を与えることで、HIV、癌などの疾患に効果的に対抗できるようになるだろうという2報の研究論文が、「Cell Stem Cell」1月4日号に掲載された。

日本の研究者らが、老化した免疫T細胞を用い、増殖能の高いT細胞へと再生させた。これらのT細胞は、寿命が延び、病変細胞への標的能が高まっていた。本所見は、より効果的な免疫療法につながる可能性がある。

本研究の第一著者である東京大学の中内啓光氏は、ニュースリリースにおいて、「ウイルス感染または癌に対する養子免疫療法に、この技術が若く活発なT細胞を供給する」と述べている。

第1報において研究者らは、HIV感染者から採取した成熟T細胞を、体内でほぼすべての細胞タイプへ分化しうる多能性幹細胞へと形質転換させた。第2報においては、特に悪性度の高い皮膚癌であるメラノーマの患者から採取したT細胞を用いた。いずれの研究でも、多能性幹細胞をT細胞へと逆分化させた。

研究者らは、これらの「若返り」免疫細胞が元のT細胞を改良したものである点で、本研究結果が朗報であると述べている。

HIV患者のT細胞は、無限の寿命を有し、染色体末端には長いキャップが存在する。これにより、T細胞が老化をまぬがれていた。

一方、メラノーマの患者から採取したT細胞は、メラノーマに共通して発現する蛋白質を認識する能力を有していた。

本研究の第一著者である、理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター(横浜市)の河本宏氏は、ニュースリリースにおいて、「次のステップとして、これらの再生T細胞が他の健康組織を傷害せず、腫瘍細胞を選択的に死滅させられるかどうかを検討する予定である。そう遠くない将来、このような細胞が開発され、患者への直接応用が可能になると考えられる」と述べている。(HealthDay News 1月3日)

記事原文:http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=672131
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