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ヘルスデーについて/

進行乳癌の治療方針決定にDNA検査が有用(2013.7.17掲載)

進行乳癌患者における治療反応評価に、血中腫瘍細胞由来の異常DNA検出が役立つ可能性があるという研究論文が、「New England Journal of Medicine」3月14日号に掲載された。

進行乳癌では、主に骨、肺、肝臓、脳などに転移が認められる。治癒は見込めないが、化学療法、ホルモン療法、その他の治療法によって病勢進行を遅らせ、症状を緩和することが可能である。

現在のところ、医師はCTスキャンなどの画像検査を頼りに、転移乳癌をモニタリングしている。血中腫瘍細胞を検出する検査や、CA 15-3と呼ばれる腫瘍マーカーを測定する検査など、特定の血液検査を実施する場合もある。しかし、これらの検査にも限界や問題点がある。米シティ・オブ・ホープ癌センター(カリフォルニア州デュアルテ)腫瘍内科助教授であるYuan Yuan氏は「実際、新たなモニタリング法の必要性は極めて大きい」と述べている。

英ケンブリッジ大学の研究者らは、転移乳癌治療および標準的な画像検査を受けている女性30人を対象として、血液検体を採取した。その結果、治療反応を推定するうえで、CA 15-3または腫瘍細胞数の検査よりも、腫瘍DNA検査のほうが優れていた。100日間を超える追跡調査が可能であった女性20人のうち、19人にCTスキャン上で癌の進行が認められた。そのうち17人では、腫瘍DNA値が増加していた。これと対照的に、腫瘍細胞数が増加していたのは7人のみであり、CA 15-3レベルが増加していたのは9人のみであった。

被験者19人のうち10人では、CTスキャン上で癌の進行がみられる前の平均5カ月間、腫瘍DNA値が増加していた。

主任研究者であるCarlos Caldas氏は、「FDAが承認した既存のバイオマーカーと比較して、血中腫瘍DNAは優れたモニタリングバイオマーカーである」と述べている。

Yuan氏によると、乳癌患者のモニタリングを目的として、他の検査法も開発されている。その一つは、DNAの“コピー数”の異常に関する検査である。最近の予備的研究では、乳癌再発リスクの予測に本検査法が役立つ可能性が示された。

既存の検査に関しても、研究者らは最適な使用法を検討している。CellSearchシステムとして米国で販売されている、腫瘍細胞検出用の血液検査は、転移乳癌の治療モニタリングに役立つ可能性がある。一般的に、腫瘍細胞数が多いほど、癌の進行が早い。

しかし、現在のところ、専門家ガイドラインは医師による日常的な血液検査を推奨していない。米テキサス大学MDアンダーソン癌センター(ヒューストン)の腫瘍外科医であるAnthony Lucci氏は、究極的な有益性が依然として不明であることを理由に挙げている。

米メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク市)の所属病理医であるJorge Reis-Filho氏は、「癌再発の早期検出は強く望まれている。画像上の変化がみられる前にDNAが変化するのであれば、より先を見越した治療に役立つ可能性がある」と述べている。(HealthDay News 3月13日)

記事原文:http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=674391
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