イラク、アフガニスタンの戦場で開発された新しい輸血方法が、一般の患者にも最善である可能性が高いという。従来の輸血用血液に比べて、血漿、血小板、赤血球が等量ずつ含まれる「1-1-1」と呼ばれる「レシピ」が、失血死を防ぐための大量輸血に最も有効であることが臨床試験で示され、米国医師会誌「JAMA」2月4日号に掲載された。 研究著者である米テキサス大学医学部のJohn Holcomb氏によると、このレシピは米国国防総省が負傷した軍人を救う目的で開発し、2004年に治療ガイドラインに加えたもの。米国では主要な外傷センターの多くがこのレシピを採用しているが、その有効性を比較した研究は今回が初めてだという。. 病院では従来、血漿、血小板、赤血球を1:1:2の割合で混合した血液が使用されていた。米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)の救急医Robert Glatter氏の説明によると、血漿と血小板はいずれも血液の凝固能力に関わるものであり、その2成分の比率を高くすると有害な凝血、臓器不全、血液感染、赤血球数減少のリスクが高まることが懸念されたため、以前の比率が用いられていたという。. 今回の研究では、北米郊外の12カ所の病院で、大量輸血を必要とする重傷患者680人を、赤血球の比率の高い従来の血液を輸血する群と、3成分の比率の等しい血液を輸血する群に無作為に割り付けた。. その結果、1:1:1群では患者の即時の失血死リスクが低く、大量失血が有意に減少した。また、1:1:1の輸血による安全上の懸念は認められなかったという。24時間後と30日後の全体の死亡率には群間差はみられなかったものの、1:1:1群のほうが早期に出血をコントロールできる比率が高く、24時間の時点で大量失血による死亡が少ないことは明らかだとGlatter氏は述べている。. Holcomb氏は、現在外傷センターの8割が1:1:1の輸血を用いていると推定しており、「10年前に比べて大きな変化である」と述べている。Glatter氏は、地方の病院でも、特に出血の激しい患者にはこの新しい輸血レシピを採用すべき時期に来ていると述べ、「大量出血では時間が命。1:1:1の輸血を早く開始するほど、転帰が向上する確率が高まる」と付け加えている。(HealthDay News 2月3日). http://consumer.healthday.com/general-health-information-16/emergencies-and-first-aid-news-227/battlefield-blood-transfusion-recipe-passes-successful-test-696099.html Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
イラク、アフガニスタンの戦場で開発された新しい輸血方法が、一般の患者にも最善である可能性が高いという。従来の輸血用血液に比べて、血漿、血小板、赤血球が等量ずつ含まれる「1-1-1」と呼ばれる「レシピ」が、失血死を防ぐための大量輸血に最も有効であることが臨床試験で示され、米国医師会誌「JAMA」2月4日号に掲載された。 研究著者である米テキサス大学医学部のJohn Holcomb氏によると、このレシピは米国国防総省が負傷した軍人を救う目的で開発し、2004年に治療ガイドラインに加えたもの。米国では主要な外傷センターの多くがこのレシピを採用しているが、その有効性を比較した研究は今回が初めてだという。. 病院では従来、血漿、血小板、赤血球を1:1:2の割合で混合した血液が使用されていた。米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)の救急医Robert Glatter氏の説明によると、血漿と血小板はいずれも血液の凝固能力に関わるものであり、その2成分の比率を高くすると有害な凝血、臓器不全、血液感染、赤血球数減少のリスクが高まることが懸念されたため、以前の比率が用いられていたという。. 今回の研究では、北米郊外の12カ所の病院で、大量輸血を必要とする重傷患者680人を、赤血球の比率の高い従来の血液を輸血する群と、3成分の比率の等しい血液を輸血する群に無作為に割り付けた。. その結果、1:1:1群では患者の即時の失血死リスクが低く、大量失血が有意に減少した。また、1:1:1の輸血による安全上の懸念は認められなかったという。24時間後と30日後の全体の死亡率には群間差はみられなかったものの、1:1:1群のほうが早期に出血をコントロールできる比率が高く、24時間の時点で大量失血による死亡が少ないことは明らかだとGlatter氏は述べている。. Holcomb氏は、現在外傷センターの8割が1:1:1の輸血を用いていると推定しており、「10年前に比べて大きな変化である」と述べている。Glatter氏は、地方の病院でも、特に出血の激しい患者にはこの新しい輸血レシピを採用すべき時期に来ていると述べ、「大量出血では時間が命。1:1:1の輸血を早く開始するほど、転帰が向上する確率が高まる」と付け加えている。(HealthDay News 2月3日). http://consumer.healthday.com/general-health-information-16/emergencies-and-first-aid-news-227/battlefield-blood-transfusion-recipe-passes-successful-test-696099.html Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.