全米で麻疹の再流行がみられるなか、今も多くの人は麻疹が害のない一過性の疾患であると考えているようだという。しかし、麻疹はまれに長期的な視力障害や失明の引き金となることがある。また、麻疹に罹った小児の1,000人に1人が死亡すると米国疾病管理予防センター（CDC）は報告している。 米南カリフォルニア大学（USC）ケック医学部（ロサンゼルス）准教授のJonathan Song氏によると、麻疹に罹患するほとんどの人に結膜炎と呼ばれる眼の充血がみられる。結膜炎になると、角膜に炎症が生じ、角膜の瘢痕化や失明に至ることがあると同氏は説明する。. 米国立医学図書館（NLM）が発表した調査によると、麻疹は世界で年間6万例の失明の原因となっており、その多くは開発途上国に暮らし、ビタミンA欠乏状態にある人だという。. しかし、栄養状態にかかわらず、母親が妊娠中に麻疹ウイルスに感染した場合や、小児期に麻疹に罹った場合、小児が視力障害になることがあると専門家はいう。米テキサス小児病院（ヒューストン）のJane Edmond氏は、「眼の合併症のほとんどは失明の原因になることはなく、一過性である。しかし、麻疹に伴いまれに生じる脳炎は深刻であり、当然ながら眼は脳につながっているため、視力に影響が及ぶことがある」と述べている。. Song氏によると、小児が麻疹に感染する時期が早いほど、眼の損傷が生涯続く可能性が高いという。麻疹ウイルスによる角膜の炎症や充血が進行すると、瘢痕化をもたらし、脳に届く像の明瞭さが損なわれる。「正常な小児の場合、生後4カ月以内に視覚系が発達し、この時期に眼と脳のつながりが形成されるため、視界を遮断するものがあると、それは永久的なものとなり得る」と同氏は説明している。また、麻疹感染により網膜の細胞や視神経が損傷することもあるという。. 専門家らは、麻疹による視力障害を予防するため、予防接種を受けることを勧めている。妊婦や重病の小児などのワクチンを受けられない人に対して「集団免疫」の効果を与えるためには、ワクチンに適格とされる人の90～95％が予防接種を受ける必要があるという。「仮に自分が軽症ですんだとしても、そうでない人にうつしてしまったらどうなるかも考える必要がある」とEdmond氏は指摘している。（HealthDay News 2月20日）. http://consumer.healthday.com/eye-care-information-13/eye-and-vision-problem-news-295/measles-can-rob-a-child-s-sight-experts-warn-696626.html Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
全米で麻疹の再流行がみられるなか、今も多くの人は麻疹が害のない一過性の疾患であると考えているようだという。しかし、麻疹はまれに長期的な視力障害や失明の引き金となることがある。また、麻疹に罹った小児の1,000人に1人が死亡すると米国疾病管理予防センター（CDC）は報告している。 米南カリフォルニア大学（USC）ケック医学部（ロサンゼルス）准教授のJonathan Song氏によると、麻疹に罹患するほとんどの人に結膜炎と呼ばれる眼の充血がみられる。結膜炎になると、角膜に炎症が生じ、角膜の瘢痕化や失明に至ることがあると同氏は説明する。. 米国立医学図書館（NLM）が発表した調査によると、麻疹は世界で年間6万例の失明の原因となっており、その多くは開発途上国に暮らし、ビタミンA欠乏状態にある人だという。. しかし、栄養状態にかかわらず、母親が妊娠中に麻疹ウイルスに感染した場合や、小児期に麻疹に罹った場合、小児が視力障害になることがあると専門家はいう。米テキサス小児病院（ヒューストン）のJane Edmond氏は、「眼の合併症のほとんどは失明の原因になることはなく、一過性である。しかし、麻疹に伴いまれに生じる脳炎は深刻であり、当然ながら眼は脳につながっているため、視力に影響が及ぶことがある」と述べている。. Song氏によると、小児が麻疹に感染する時期が早いほど、眼の損傷が生涯続く可能性が高いという。麻疹ウイルスによる角膜の炎症や充血が進行すると、瘢痕化をもたらし、脳に届く像の明瞭さが損なわれる。「正常な小児の場合、生後4カ月以内に視覚系が発達し、この時期に眼と脳のつながりが形成されるため、視界を遮断するものがあると、それは永久的なものとなり得る」と同氏は説明している。また、麻疹感染により網膜の細胞や視神経が損傷することもあるという。. 専門家らは、麻疹による視力障害を予防するため、予防接種を受けることを勧めている。妊婦や重病の小児などのワクチンを受けられない人に対して「集団免疫」の効果を与えるためには、ワクチンに適格とされる人の90～95％が予防接種を受ける必要があるという。「仮に自分が軽症ですんだとしても、そうでない人にうつしてしまったらどうなるかも考える必要がある」とEdmond氏は指摘している。（HealthDay News 2月20日）. http://consumer.healthday.com/eye-care-information-13/eye-and-vision-problem-news-295/measles-can-rob-a-child-s-sight-experts-warn-696626.html Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
