インスリンが求心性迷走神経を活性化させる一方で、胃ホルモンであるグレリンはその活性化作用を抑制し、両者が拮抗的に働くことで、摂食・エネルギー代謝を制御している可能性が示されたと、自治医科大学統合生理学部門の岩﨑有作氏、矢田俊彦氏らが発表した。. 同氏らは、先の研究で、食後に分泌が亢進するインスリンが、求心性迷走神経を直接活性化し、脳に情報を伝達し、満腹感を生み出しエネルギー代謝を調節する要因の1つである可能性を報告している。. 今回の研究では、マウスから単離した単一求心性迷走神経細胞において、インスリン投与で約10%前後の求心性迷走神経細胞のCa2+濃度が増加し、空腹時に分泌が亢進するグレリン投与はこのインスリン作用を有意に抑制することを見いだした。. この迷走神経でのインスリン-グレリン拮抗作用の役割として、「食後のインスリン優位」から「空腹時のグレリン優位」状態への身体変化を効率的に受容して脳に伝達し、適切な摂食・エネルギー代謝を誘導している可能性が示唆された。. この知見について、矢田氏らは、「インスリンとグレリンの重要な脳への効果を、末梢投与により誘導する経路の発見であり、種々の脳疾患の改善への応用が期待される」と述べている。詳細は「Neuropeptides」オンライン版に6月14日掲載された。(HealthDay News 7月13日).Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
インスリンが求心性迷走神経を活性化させる一方で、胃ホルモンであるグレリンはその活性化作用を抑制し、両者が拮抗的に働くことで、摂食・エネルギー代謝を制御している可能性が示されたと、自治医科大学統合生理学部門の岩﨑有作氏、矢田俊彦氏らが発表した。. 同氏らは、先の研究で、食後に分泌が亢進するインスリンが、求心性迷走神経を直接活性化し、脳に情報を伝達し、満腹感を生み出しエネルギー代謝を調節する要因の1つである可能性を報告している。. 今回の研究では、マウスから単離した単一求心性迷走神経細胞において、インスリン投与で約10%前後の求心性迷走神経細胞のCa2+濃度が増加し、空腹時に分泌が亢進するグレリン投与はこのインスリン作用を有意に抑制することを見いだした。. この迷走神経でのインスリン-グレリン拮抗作用の役割として、「食後のインスリン優位」から「空腹時のグレリン優位」状態への身体変化を効率的に受容して脳に伝達し、適切な摂食・エネルギー代謝を誘導している可能性が示唆された。. この知見について、矢田氏らは、「インスリンとグレリンの重要な脳への効果を、末梢投与により誘導する経路の発見であり、種々の脳疾患の改善への応用が期待される」と述べている。詳細は「Neuropeptides」オンライン版に6月14日掲載された。(HealthDay News 7月13日).Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.