肝臓でのアミノ酸過多に応じて発せられる神経シグナルが、脳を介した神経システムにより肥満時の血中中性脂肪（トリグリセライド）上昇を引き起こす機序を、東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学教授の片桐秀樹氏、助教の宇野健司氏らが発見した。.メタボリックシンドロームの主病態のひとつである中性脂肪上昇の仕組みが解明されたことで、動脈硬化に対する新たな治療法や予防法の開発につながると期待される。詳細は、「Nature Communications」8月13日号に掲載された。. 肥満状態下では血中の中性脂肪が上昇するとともに、肝臓におけるアミノ酸量が増加することが知られていたが、片桐氏らは、このアミノ酸量の増加に着目。マウスを用いた検討により、非肥満の状態下で肝臓へのアミノ酸流入だけを増やすと、肥満時と同様に血中の中性脂肪が高値となることを見いだした。. これにより、同氏らが見いだした「脳を介した血中の中性脂肪分解抑制システム」は以下のとおり。 （1）肝臓でアミノ酸過多になると、細胞内でmTOR/S6キナーゼという蛋白質が関与するシグナル伝達経路が活性化される （2）この"栄養過多の情報"が自律神経系により脳に伝達される （3）この情報を受け取った脳が、血中の中性脂肪分解酵素であるリポ蛋白リパーゼ（LPL）の産生を減らすように神経を通して指令を発する （4）血中の中性脂肪分解が抑制され、中性脂肪が上昇する. さらに、薬物投与などによりこのシグナル伝達経路を遮断すると、肥満に関連した血中中性脂肪の上昇が抑制できたという。. 同氏らは、「今回発見された経路を制御することで、食事療法をしなくても中性脂肪が上がらず動脈硬化にならないような治療法の開発につなげたい」と期待を示している。（HealthDay News 8月20日）.Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
肝臓でのアミノ酸過多に応じて発せられる神経シグナルが、脳を介した神経システムにより肥満時の血中中性脂肪（トリグリセライド）上昇を引き起こす機序を、東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学教授の片桐秀樹氏、助教の宇野健司氏らが発見した。.メタボリックシンドロームの主病態のひとつである中性脂肪上昇の仕組みが解明されたことで、動脈硬化に対する新たな治療法や予防法の開発につながると期待される。詳細は、「Nature Communications」8月13日号に掲載された。. 肥満状態下では血中の中性脂肪が上昇するとともに、肝臓におけるアミノ酸量が増加することが知られていたが、片桐氏らは、このアミノ酸量の増加に着目。マウスを用いた検討により、非肥満の状態下で肝臓へのアミノ酸流入だけを増やすと、肥満時と同様に血中の中性脂肪が高値となることを見いだした。. これにより、同氏らが見いだした「脳を介した血中の中性脂肪分解抑制システム」は以下のとおり。 （1）肝臓でアミノ酸過多になると、細胞内でmTOR/S6キナーゼという蛋白質が関与するシグナル伝達経路が活性化される （2）この"栄養過多の情報"が自律神経系により脳に伝達される （3）この情報を受け取った脳が、血中の中性脂肪分解酵素であるリポ蛋白リパーゼ（LPL）の産生を減らすように神経を通して指令を発する （4）血中の中性脂肪分解が抑制され、中性脂肪が上昇する. さらに、薬物投与などによりこのシグナル伝達経路を遮断すると、肥満に関連した血中中性脂肪の上昇が抑制できたという。. 同氏らは、「今回発見された経路を制御することで、食事療法をしなくても中性脂肪が上がらず動脈硬化にならないような治療法の開発につなげたい」と期待を示している。（HealthDay News 8月20日）.Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
