自殺念慮を伴う重度の月経前症候群(PMS)、すなわち月経前不快気分障害(PMDD)の治療では、抗うつ薬が第一選択となることが新たな研究レビューで明らかにされた。PMDDはPMS患者の最大8%にみられる。月経前の1週間に抑うつ、絶望感、自虐的思考がある女性は医師の診察を受ける必要があると、研究著者である米テキサス大学サウスウエスタン医療センター(ダラス)のKenneth Trevino氏は述べている。 Trevino氏らは、さまざまな治療法の裏付けとなるエビデンスを調べた結果、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる抗うつ薬(商品名:パキシル、ジェイゾロフトなど)をPMDD治療の第一選択とすることを推奨している。セロトニンは気分に関連する神経伝達物質で、SSRIには脳細胞が利用できるセロトニンを増やす作用がある。. 今回の研究では、約4,400人のPMDD患者を対象にSSRIの使用について検討した研究を分析した。この勧告は「Journal of Psychiatric Practice」9月号に掲載された。. 研究著者らによると、月経周期におけるホルモンの変化がPMDDの要因の1つであるセロトニン値に影響を及ぼすことがあるという。PMDDの女性の約60~70%はSSRIにより改善がみられるとTrevino氏は指摘している。PMDDはPMSとは異なり、易怒性、不安、抑うつなどの気分障害や、活力低下、食欲不振、頭痛、不眠などの身体症状がある。また、症状が繰り返しみられることから家族に勧められて受診する人も多いという。. Trevino氏は、第一に考慮すべき因子は症状の重症度、特に精神的苦痛の程度であるとし、症状が重いほどSSRIによる治療の開始が重要だと述べる。しかし、SSRIは誰にでも適するわけではなく、先ごろ発表された研究では自殺行動や自傷リスクとの関連も認められている。抗うつ薬による効果が得られない30~40%の女性には、抗不安薬やホルモン避妊薬のほか、複数の治療法を組み合わせた方法が検討される。. 今回の研究では、カルシウムのほか、サフラン、イチョウなどのサプリメントにもある程度の効果が認められたが、さらに研究を重ねる必要があるとのこと。行動療法では大きな改善は得られなかった。カフェインや「高炭水化物」飲料などの食事要因、運動にも有望性が認められた。最後の手段は医学的に閉経を起こす薬剤だが、不快な副作用がある。どの治療法も一長一短であり、まずは安全で侵襲性の低い方法から試すのが原則だと専門家は述べている。(HealthDay News 2015年9月23日). http://consumer.healthday.com/women-s-health-information-34/pms-news-519/antidepressants-are-first-treatment-choice-for-severe-form-of-pms-703330.html Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
自殺念慮を伴う重度の月経前症候群(PMS)、すなわち月経前不快気分障害(PMDD)の治療では、抗うつ薬が第一選択となることが新たな研究レビューで明らかにされた。PMDDはPMS患者の最大8%にみられる。月経前の1週間に抑うつ、絶望感、自虐的思考がある女性は医師の診察を受ける必要があると、研究著者である米テキサス大学サウスウエスタン医療センター(ダラス)のKenneth Trevino氏は述べている。 Trevino氏らは、さまざまな治療法の裏付けとなるエビデンスを調べた結果、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる抗うつ薬(商品名:パキシル、ジェイゾロフトなど)をPMDD治療の第一選択とすることを推奨している。セロトニンは気分に関連する神経伝達物質で、SSRIには脳細胞が利用できるセロトニンを増やす作用がある。. 今回の研究では、約4,400人のPMDD患者を対象にSSRIの使用について検討した研究を分析した。この勧告は「Journal of Psychiatric Practice」9月号に掲載された。. 研究著者らによると、月経周期におけるホルモンの変化がPMDDの要因の1つであるセロトニン値に影響を及ぼすことがあるという。PMDDの女性の約60~70%はSSRIにより改善がみられるとTrevino氏は指摘している。PMDDはPMSとは異なり、易怒性、不安、抑うつなどの気分障害や、活力低下、食欲不振、頭痛、不眠などの身体症状がある。また、症状が繰り返しみられることから家族に勧められて受診する人も多いという。. Trevino氏は、第一に考慮すべき因子は症状の重症度、特に精神的苦痛の程度であるとし、症状が重いほどSSRIによる治療の開始が重要だと述べる。しかし、SSRIは誰にでも適するわけではなく、先ごろ発表された研究では自殺行動や自傷リスクとの関連も認められている。抗うつ薬による効果が得られない30~40%の女性には、抗不安薬やホルモン避妊薬のほか、複数の治療法を組み合わせた方法が検討される。. 今回の研究では、カルシウムのほか、サフラン、イチョウなどのサプリメントにもある程度の効果が認められたが、さらに研究を重ねる必要があるとのこと。行動療法では大きな改善は得られなかった。カフェインや「高炭水化物」飲料などの食事要因、運動にも有望性が認められた。最後の手段は医学的に閉経を起こす薬剤だが、不快な副作用がある。どの治療法も一長一短であり、まずは安全で侵襲性の低い方法から試すのが原則だと専門家は述べている。(HealthDay News 2015年9月23日). http://consumer.healthday.com/women-s-health-information-34/pms-news-519/antidepressants-are-first-treatment-choice-for-severe-form-of-pms-703330.html Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.