ジャガイモの摂取量が習慣的に多い人では、少ない人に比べて2型糖尿病になりやすいとの研究結果が、大阪がん循環器病予防センター循環器予防部門の村木功氏らにより報告された。とくにジャガイモを油で揚げるフレンチフライの摂取量が多いと糖尿病リスクが高まりやすいこともわかった。同氏が米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院(ボストン)のQi Sun氏らと行った研究で、詳細は「Diabetes Care」12月17日オンライン版に掲載された。 ジャガイモはGI(グリセミック・インデックス)値やGL(グリセミック負荷)値が高く、食後の血糖値を上昇させやすい食品に分類される。しかし、この分類基準については、米国の食事新基準(MyPlate)では「野菜」としているのに対し、英国では「穀物」とするなど、各国で見解が分かれている。そこで、村木氏らは、米国の医療従事者を対象に行った3つのコホート研究データを用いて、ジャガイモ摂取量と2型糖尿病リスクとの関連を検討した。. 対象は、1984~2010年の看護師健康調査(Nurses' Health Study;NHS)に参加した女性7万773人と1991~2011年のNHS IIに参加した女性8万7,739人と、1986~2010年の医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study;HPFS)の男性4万669人で、ベースラインに糖尿病や心血管疾患、がんの既往がある人は除外した。ジャガイモの摂取量の評価は、食物摂取頻度調査票(Food frequency questionnaire;FFQ)により4年ごとに行った。. ベースラインの患者背景をみると、ジャガイモの総摂取量が多いほど、総エネルギー摂取量や赤肉、砂糖を含む清涼飲料水の摂取量の増加と関連し、一方で年齢や身体活動度とは逆の関連を示していた。. 398万8000人・年の追跡期間中、1万5,362人で新たな糖尿病の発症が確認された。解析の結果、ジャガイモ料理の総摂取量が多い人ほど2型糖尿病リスクが高いことがわかった。年齢や性別、生活習慣・食事因子などの影響を補正した解析でも、2型糖尿病リスクは、ジャガイモ料理の摂取頻度が週1回未満の人に比べて、週に2~4回摂取する人で7%(ハザード比1.07)、週に7回以上摂取する人では33%(同1.33)有意に高かった。. ベイクドポテト・ボイルドポテト・マッシュポテト・フレンチフライといった調理法別に糖尿病リスクを検討したところ、週3回の摂取増加に対する糖尿病リスクは、ベイクド・ボイルド・マッシュポテトでは4%有意に高く(同1.04)、フレンチフライでは19%有意に高かった(同1.19)。. さらに、週3回のジャガイモの摂取を同じ量の全粒穀物に置き換えると、2型糖尿病のリスクは12%低下することもわかった(同0.88)。4年間で週3回のジャガイモ摂取頻度の増加は、2型糖尿病リスクの4%上昇と関連していた。. 同氏らによると、このジャガイモ摂取量の増加と2型糖尿病リスク上昇の関連は、患者背景や生活習慣・食事に関する因子とは独立したものであるという。また、同氏はHealthDayの取材に応じ、「ジャガイモは他の野菜とは異なり、積極的な摂取が推奨されるものではない。糖尿病リスクを低減させるには、ジャガイモ摂取量を減らしたり、他の野菜や全粒穀物などに置き換えることが望ましい」と助言している。(HealthDay News 2015年12月25日). Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.
ジャガイモの摂取量が習慣的に多い人では、少ない人に比べて2型糖尿病になりやすいとの研究結果が、大阪がん循環器病予防センター循環器予防部門の村木功氏らにより報告された。とくにジャガイモを油で揚げるフレンチフライの摂取量が多いと糖尿病リスクが高まりやすいこともわかった。同氏が米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院(ボストン)のQi Sun氏らと行った研究で、詳細は「Diabetes Care」12月17日オンライン版に掲載された。 ジャガイモはGI(グリセミック・インデックス)値やGL(グリセミック負荷)値が高く、食後の血糖値を上昇させやすい食品に分類される。しかし、この分類基準については、米国の食事新基準(MyPlate)では「野菜」としているのに対し、英国では「穀物」とするなど、各国で見解が分かれている。そこで、村木氏らは、米国の医療従事者を対象に行った3つのコホート研究データを用いて、ジャガイモ摂取量と2型糖尿病リスクとの関連を検討した。. 対象は、1984~2010年の看護師健康調査(Nurses' Health Study;NHS)に参加した女性7万773人と1991~2011年のNHS IIに参加した女性8万7,739人と、1986~2010年の医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study;HPFS)の男性4万669人で、ベースラインに糖尿病や心血管疾患、がんの既往がある人は除外した。ジャガイモの摂取量の評価は、食物摂取頻度調査票(Food frequency questionnaire;FFQ)により4年ごとに行った。. ベースラインの患者背景をみると、ジャガイモの総摂取量が多いほど、総エネルギー摂取量や赤肉、砂糖を含む清涼飲料水の摂取量の増加と関連し、一方で年齢や身体活動度とは逆の関連を示していた。. 398万8000人・年の追跡期間中、1万5,362人で新たな糖尿病の発症が確認された。解析の結果、ジャガイモ料理の総摂取量が多い人ほど2型糖尿病リスクが高いことがわかった。年齢や性別、生活習慣・食事因子などの影響を補正した解析でも、2型糖尿病リスクは、ジャガイモ料理の摂取頻度が週1回未満の人に比べて、週に2~4回摂取する人で7%(ハザード比1.07)、週に7回以上摂取する人では33%(同1.33)有意に高かった。. ベイクドポテト・ボイルドポテト・マッシュポテト・フレンチフライといった調理法別に糖尿病リスクを検討したところ、週3回の摂取増加に対する糖尿病リスクは、ベイクド・ボイルド・マッシュポテトでは4%有意に高く(同1.04)、フレンチフライでは19%有意に高かった(同1.19)。. さらに、週3回のジャガイモの摂取を同じ量の全粒穀物に置き換えると、2型糖尿病のリスクは12%低下することもわかった(同0.88)。4年間で週3回のジャガイモ摂取頻度の増加は、2型糖尿病リスクの4%上昇と関連していた。. 同氏らによると、このジャガイモ摂取量の増加と2型糖尿病リスク上昇の関連は、患者背景や生活習慣・食事に関する因子とは独立したものであるという。また、同氏はHealthDayの取材に応じ、「ジャガイモは他の野菜とは異なり、積極的な摂取が推奨されるものではない。糖尿病リスクを低減させるには、ジャガイモ摂取量を減らしたり、他の野菜や全粒穀物などに置き換えることが望ましい」と助言している。(HealthDay News 2015年12月25日). Copyright (c) 2015 HealthDay. All rights reserved.