学校のカフェテリアにウォーターサーバーを設置すると、子どもは牛乳や清涼飲料水よりも水を選ぶようになり、肥満がわずかに減少することがわかった。 水を冷却して酸素を送り込む「ウォータージェット」と呼ばれるウォーターサーバーを設置している学校では、設置していない学校に比べて、過体重の生徒の割合が男子で0.9%、女子では0.6%低いことが、米ニューヨーク大学(NYU)の研究チームの検討でわかった。. 「ウォーターサーバー設置による肥満率の減少はわずかだったが、子どもの肥満に有効と思われる対策は何でも試す価値がある。ウォーターサーバーの導入は低コストというメリットもある」と、研究を主導した同大学医学部公衆衛生・健康政策学の准教授であるBrian Elbel氏は述べている。. 同氏は、生徒が自宅から持参した牛乳や炭酸飲料、清涼飲料の代わりに水を選んで飲んでいた結果であるとし、「水を飲めば、他の高カロリーの飲料水は飲まない」と指摘している。なお、この知見はウォーターサーバーの設置と体重減少の関連を示したに過ぎず、因果関係を示すものではない。. 今回の研究では、ニューヨーク市内の小学校および中学校1,200校強から106万人以上の児童・生徒のデータを収集した。このうち、ウォータージェットを導入していたのは483校で、残り744校は未設置だった。データを解析したところ、ウォータージェットを導入した学校では、約240mLの牛乳の年間購買数が、児童生徒1人当たり12本減ることがわかった。. ウォータージェットは、同市の保健精神衛生局と教育局により2009年に設置されたもので、この導入前は、同市内の学校のカフェテリアでは飲料水が提供されていなかった。1台当たりの導入コストは約1,000ドル(約11万9,000円)だという。. 「食事する際に水が取りやすければ、子どもはもっと水を飲む」と、Elbel氏は指摘している。これは自宅でも同様で、普段から水を飲みやすい環境をつくることが、子どもの減量の一助となる可能性があると、同氏は述べている。. 米国立小児保健発達研究所(NICHD)の助成で実施された今回の研究は、「JAMA Pediatrics」オンライン版に1月19日に掲載された。. 米イェール大学予防研究センターのセンター長を務めるDavid Katz氏によると、今回の研究は重要かつシンプルな原理を示しているという。「まず、水は喉が渇いたときの最善の選択肢であること。次に、手元にあるものからしか選択できないということ。つまり、冷たい水に簡単に手が届けば、子どもはもっと水を飲む。最後に、他人の注意を引くには、明らかな解決策を示さねばならないということだ」との考えを示している。(HealthDay News 2016年1月19日). http://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/education-news-745/schools-offering-drinking-water-may-have-slimmer-kids-study-707182.html Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
学校のカフェテリアにウォーターサーバーを設置すると、子どもは牛乳や清涼飲料水よりも水を選ぶようになり、肥満がわずかに減少することがわかった。 水を冷却して酸素を送り込む「ウォータージェット」と呼ばれるウォーターサーバーを設置している学校では、設置していない学校に比べて、過体重の生徒の割合が男子で0.9%、女子では0.6%低いことが、米ニューヨーク大学(NYU)の研究チームの検討でわかった。. 「ウォーターサーバー設置による肥満率の減少はわずかだったが、子どもの肥満に有効と思われる対策は何でも試す価値がある。ウォーターサーバーの導入は低コストというメリットもある」と、研究を主導した同大学医学部公衆衛生・健康政策学の准教授であるBrian Elbel氏は述べている。. 同氏は、生徒が自宅から持参した牛乳や炭酸飲料、清涼飲料の代わりに水を選んで飲んでいた結果であるとし、「水を飲めば、他の高カロリーの飲料水は飲まない」と指摘している。なお、この知見はウォーターサーバーの設置と体重減少の関連を示したに過ぎず、因果関係を示すものではない。. 今回の研究では、ニューヨーク市内の小学校および中学校1,200校強から106万人以上の児童・生徒のデータを収集した。このうち、ウォータージェットを導入していたのは483校で、残り744校は未設置だった。データを解析したところ、ウォータージェットを導入した学校では、約240mLの牛乳の年間購買数が、児童生徒1人当たり12本減ることがわかった。. ウォータージェットは、同市の保健精神衛生局と教育局により2009年に設置されたもので、この導入前は、同市内の学校のカフェテリアでは飲料水が提供されていなかった。1台当たりの導入コストは約1,000ドル(約11万9,000円)だという。. 「食事する際に水が取りやすければ、子どもはもっと水を飲む」と、Elbel氏は指摘している。これは自宅でも同様で、普段から水を飲みやすい環境をつくることが、子どもの減量の一助となる可能性があると、同氏は述べている。. 米国立小児保健発達研究所(NICHD)の助成で実施された今回の研究は、「JAMA Pediatrics」オンライン版に1月19日に掲載された。. 米イェール大学予防研究センターのセンター長を務めるDavid Katz氏によると、今回の研究は重要かつシンプルな原理を示しているという。「まず、水は喉が渇いたときの最善の選択肢であること。次に、手元にあるものからしか選択できないということ。つまり、冷たい水に簡単に手が届けば、子どもはもっと水を飲む。最後に、他人の注意を引くには、明らかな解決策を示さねばならないということだ」との考えを示している。(HealthDay News 2016年1月19日). http://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/education-news-745/schools-offering-drinking-water-may-have-slimmer-kids-study-707182.html Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.