インスリン治療中の2型糖尿病患者にDPP-4阻害薬であるシタグリプチンを併用投与することで、動脈硬化の進展が抑制されることが、順天堂大学大学院代謝内分泌内科学の三田智也氏、綿田裕孝氏らによる検討でわかった。詳細は「Diabetes Care」1月28日オンライン版に掲載された。. インスリン治療を受けている2型糖尿病患者は、糖尿病の罹病期間が長く、動脈硬化がある程度進行している患者が多いため、心血管イベントリスクも高いとされる。同氏らは、既に2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬(アログリプチン)投与が動脈硬化の進展を抑制することを見いだしており(「Diabetes Care」1月号)、今回、インスリン治療中の2型糖尿病患者でも同様にDPP-4阻害薬による動脈硬化進展抑制が得られるのかを検証するため、オープンラベルデザインのランダム化比較試験(RCT)を行った。. 今回の対象は、心血管疾患の既往がないインスリン治療中の2型糖尿病患者282人。インスリン単独またはインスリンとDPP-4阻害薬以外の経口糖尿病治療薬との併用療法を3カ月以上行っても血糖コントロールが目標に達していない患者とした。対象患者をシタグリプチン併用投与群(142人)と通常治療を行う対照群(140人)の2群にランダムに割り付けて2年間治療を行い、治療終了時点の頸動脈エコーで測定した頸動脈内膜中膜複合体肥厚(IMT)の変化量を比較検討した。. その結果、シタグリプチン併用群では、対照群に比べて2年後の平均IMTおよび左の最大IMTの進展が有意に抑制されることがわかった(平均IMT:-0.029mm対0.024mm、P=0.005、左の最大IMT:-0.065mm対0.022mm、P=0.021)。なお、シタグリプチン併用群では、対照群に比べて低血糖や体重変化をもたらすことなく良好な血糖コントロールが得られていた。. 三田氏はHealthDayの取材に応じ、「今回の結果から、血糖コントロールが不十分で動脈硬化がある程度進展している2型糖尿病患者においても、DPP-4阻害薬を投与することで動脈硬化の進展を抑制し、将来の心血管イベントの発症を減少させる可能性がある。したがって、なるべく早い段階からDPP-4阻害薬を併用していくことが有用だと考えられる」と話している。(HealthDay News 2016年2月8日). Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
インスリン治療中の2型糖尿病患者にDPP-4阻害薬であるシタグリプチンを併用投与することで、動脈硬化の進展が抑制されることが、順天堂大学大学院代謝内分泌内科学の三田智也氏、綿田裕孝氏らによる検討でわかった。詳細は「Diabetes Care」1月28日オンライン版に掲載された。. インスリン治療を受けている2型糖尿病患者は、糖尿病の罹病期間が長く、動脈硬化がある程度進行している患者が多いため、心血管イベントリスクも高いとされる。同氏らは、既に2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬(アログリプチン)投与が動脈硬化の進展を抑制することを見いだしており(「Diabetes Care」1月号)、今回、インスリン治療中の2型糖尿病患者でも同様にDPP-4阻害薬による動脈硬化進展抑制が得られるのかを検証するため、オープンラベルデザインのランダム化比較試験(RCT)を行った。. 今回の対象は、心血管疾患の既往がないインスリン治療中の2型糖尿病患者282人。インスリン単独またはインスリンとDPP-4阻害薬以外の経口糖尿病治療薬との併用療法を3カ月以上行っても血糖コントロールが目標に達していない患者とした。対象患者をシタグリプチン併用投与群(142人)と通常治療を行う対照群(140人)の2群にランダムに割り付けて2年間治療を行い、治療終了時点の頸動脈エコーで測定した頸動脈内膜中膜複合体肥厚(IMT)の変化量を比較検討した。. その結果、シタグリプチン併用群では、対照群に比べて2年後の平均IMTおよび左の最大IMTの進展が有意に抑制されることがわかった(平均IMT:-0.029mm対0.024mm、P=0.005、左の最大IMT:-0.065mm対0.022mm、P=0.021)。なお、シタグリプチン併用群では、対照群に比べて低血糖や体重変化をもたらすことなく良好な血糖コントロールが得られていた。. 三田氏はHealthDayの取材に応じ、「今回の結果から、血糖コントロールが不十分で動脈硬化がある程度進展している2型糖尿病患者においても、DPP-4阻害薬を投与することで動脈硬化の進展を抑制し、将来の心血管イベントの発症を減少させる可能性がある。したがって、なるべく早い段階からDPP-4阻害薬を併用していくことが有用だと考えられる」と話している。(HealthDay News 2016年2月8日). Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.