2016_2016feb25tn1

子育てが免疫系に変化をもたらす可能性(2016.2.25掲載)

子育てはストレスが多く、睡眠時間を奪われる仕事であることは誰もが知っているが、子どもをもつことにより免疫系にも変化が生じる可能性が、新たな研究で示された。その影響力はインフルエンザワクチンや、お腹の風邪と呼ばれる胃腸炎よりも大きいようだという。

研究責任著者の1人であるAdrian Liston氏は、英バブラハム研究所のニュースリリースのなかで、「少なくとも、これから親になる人はこのことを考慮すべきである。睡眠不足、ストレス、慢性感染症など、子どもをもつことによるあらゆる難題がわれわれの体にもたらす影響は、単に白髪が増えるだけにとどまらない」と述べている。

今回の研究では、2歳から86歳までの670人の免疫系を比較した。免疫に影響を及ぼす因子を明らかにするため、対象者の性別や体重にも注目し、3年間にわたり観察した結果、全般的に対象者の免疫系は安定を維持しており、季節性インフルエンザワクチンやウイルス性胃腸炎に曝露した後でも、安定性は変わらなかった。この結果から、免疫系は激しい活動を強いられた後でも元の状態に戻ることがわかると、研究グループは説明している。

しかし、親になり子育てをすることは、他の因子に比べて免疫系に最も強い影響を及ぼすことが判明した。パートナーと同居し、ともに子育てをしている2人は、個人間にみられる免疫系の差異が一般集団に比べて50%少なかった。

密接な関係をもつ、血縁のない2人の間の免疫プロファイルに着目した研究は今回が初めてだという。Liston氏は、「子どもをもつことは最も過酷な環境的曝露の1つであるため、免疫系が急激に変化するのも当然といえる。それでも、重度の胃腸炎よりもはるかに強い影響がみられたことには驚いた」と述べている。

このほか、加齢も免疫系の反応に影響をもたらすようだという。もう1人の研究責任著者である同研究所のMichelle Linterman氏は、免疫系の個人差のうち遺伝によるものはわずかであると指摘し、「われわれの研究では、年齢が免疫の様相に大きな影響をもたらすことが示された。おそらくこれが、高齢者のワクチンへの反応や感染症に対する抵抗性が低下する理由の1つであると考えられる」と述べている。

この知見は「Nature Immunology」オンライン版に2月15日掲載された。(HealthDay News 2016年2月17日)

http://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/parenthood-may-alter-immune-system-study-708042.html
Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.