糖尿病治療薬であるサキサグリプチンとアログリプチンが、心不全による入院リスクを高める可能性があり、心疾患や腎疾患を有する患者ではとくに注意を要するとの警告が、米国食品医薬品局(FDA)から出された。 両剤ともDPP-4阻害薬で、今回の警告の対象となるのは、サキサグリプチン(オングリザ、以下すべて商品名)とメトホルミン徐放薬との合剤(Kombiglyze XR)、アログリプチン(ネシーナ)とメトホルミンとの合剤(Kazano)、アログリプチンとピオグリタゾンの合剤(Oseni)の5剤。FDAは、これらの医薬品ラベルに新しい警告を追加表示するよう求めている。. FDAは同時に、これらの薬剤を服用している2型糖尿病患者は、医師に相談なく服用を中止してはならないと注意喚起しており、下記の心不全の兆候が現れた場合には、医師に相談するように述べている。. ・日常生活で起こる普通ではない息切れ ・横になっているときの呼吸困難 ・疲労や倦怠感 ・下肢や胃腸のむくみ. この警告は、心疾患患者を対象に含めた2件の大規模臨床試験の結果に基づくもの。サキサグリプチンの試験では、心不全による入院率は、プラセボ群の2.8%に対し、同薬を服用した群では3.5%であり、アログリプチンの試験では、プラセボ群の3.3%に対し、同薬服用群では3.9%であった。. これらの結果を踏まえ、FDAは、心不全リスクの高い患者ではこれらの服用中止を検討するよう医師に求めており、血糖コントロールを必要とする場合は他の糖尿病治療薬の処方を検討するよう勧めている。. 米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のMinisha Sood 氏は、現時点では、この問題が他のDPP-4阻害薬にも当てはまるかどうかは不明であり、また、この勧告が心疾患リスクが低い患者にも適用されるかどうかも明らかではないとしている。. 同氏は、一部の研究ではDPP-4阻害薬が心血管イベントを低減するとの結果が得られていることから、「このクラスの薬剤が心血管系に及ぼす影響については、今後さらに検証していく必要がある」と述べるとともに、DPP-4阻害薬は血糖降下作用が強く、忍容性も高く、糖尿病の有用な治療選択肢のひとつであることに変わりはないとコメントしている。(HealthDay News 2016年4月5日). http://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/no-embargo-diabetes-drugs-linked-to-heart-failure-risk-cdc-709735.html. Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
糖尿病治療薬であるサキサグリプチンとアログリプチンが、心不全による入院リスクを高める可能性があり、心疾患や腎疾患を有する患者ではとくに注意を要するとの警告が、米国食品医薬品局(FDA)から出された。 両剤ともDPP-4阻害薬で、今回の警告の対象となるのは、サキサグリプチン(オングリザ、以下すべて商品名)とメトホルミン徐放薬との合剤(Kombiglyze XR)、アログリプチン(ネシーナ)とメトホルミンとの合剤(Kazano)、アログリプチンとピオグリタゾンの合剤(Oseni)の5剤。FDAは、これらの医薬品ラベルに新しい警告を追加表示するよう求めている。. FDAは同時に、これらの薬剤を服用している2型糖尿病患者は、医師に相談なく服用を中止してはならないと注意喚起しており、下記の心不全の兆候が現れた場合には、医師に相談するように述べている。. ・日常生活で起こる普通ではない息切れ ・横になっているときの呼吸困難 ・疲労や倦怠感 ・下肢や胃腸のむくみ. この警告は、心疾患患者を対象に含めた2件の大規模臨床試験の結果に基づくもの。サキサグリプチンの試験では、心不全による入院率は、プラセボ群の2.8%に対し、同薬を服用した群では3.5%であり、アログリプチンの試験では、プラセボ群の3.3%に対し、同薬服用群では3.9%であった。. これらの結果を踏まえ、FDAは、心不全リスクの高い患者ではこれらの服用中止を検討するよう医師に求めており、血糖コントロールを必要とする場合は他の糖尿病治療薬の処方を検討するよう勧めている。. 米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のMinisha Sood 氏は、現時点では、この問題が他のDPP-4阻害薬にも当てはまるかどうかは不明であり、また、この勧告が心疾患リスクが低い患者にも適用されるかどうかも明らかではないとしている。. 同氏は、一部の研究ではDPP-4阻害薬が心血管イベントを低減するとの結果が得られていることから、「このクラスの薬剤が心血管系に及ぼす影響については、今後さらに検証していく必要がある」と述べるとともに、DPP-4阻害薬は血糖降下作用が強く、忍容性も高く、糖尿病の有用な治療選択肢のひとつであることに変わりはないとコメントしている。(HealthDay News 2016年4月5日). http://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/no-embargo-diabetes-drugs-linked-to-heart-failure-risk-cdc-709735.html. Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.