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腰痛治療に脊椎固定術は必ずしも必要でない(2016.4.21掲載)

脊柱管狭窄症による腰痛の治療では、簡単な減圧術のみで済む場合にも、大掛かりな脊椎固定術が実施されているケースが多いことが、2件の臨床試験で明らかにされた。ただし、腰椎すべり症(椎骨が前方にずれることにより神経が圧迫れる病態)のある患者は、脊椎固定術を受けるほうが良好な結果が得られることもわかった。

腰痛の原因は、脊椎を保持している円板、靭帯、関節が加齢によって変性し、神経が通る脊柱管が狭まり、神経が圧迫されることである場合が少なくない。

こうした神経の圧迫を低減するために、脊柱管を覆う椎骨後部を切除する手術が減圧術であり、椎弓切除術とも呼ばれる。しかし多くの場合、脊椎の変性が進行して追加の手術が必要となるリスクを低減するために、脊椎固定術もあわせて実施されるという。脊椎固定術は脊椎の2個以上の骨を恒久的に結合する手術で、骨を移植し、ロッド、スクリュー、プレートなどを用いて固定する。

今回の2件の研究は「New England Journal of Medicine」に4月14日オンライン掲載された。

スウェーデン、ストックホルム脊椎センターのPeter Forsth氏が率いた試験では、脊柱管狭窄症による腰痛のある50~80歳の患者247人を対象とした。半数には腰椎すべり症がみられた。被験者を減圧術のみを実施する群と固定術を追加する群に無作為に割り付けた。その結果、術後2年、5年時点のいずれにおいても、生活の質(QOL)および歩行能力に両群間で有意差はなく、追加手術が必要になる比率もほぼ同程度だった(固定術群22%、減圧術群21%)。ただし、固定術群は平均入院期間や手術時間が長く、失血量が多く、手術費用も高額であった。

米レイヒー病院医療センター(バーリントン)のZoher Ghogawala氏らによる試験では、患者66人(平均年齢67歳)を対象として、固定術を追加する群と減圧術のみを行う群のいずれかに割り付けた。ただし、この試験では腰椎すべり症のある患者のみを対象とした。その結果、固定術群は減圧術群に比べ、術後4年までのQOLが有意に優れ、追加手術を要する比率も低かった(固定術群14%、減圧術群34%)。

この2件の研究から、減圧術の単独実施よりも脊椎固定術を追加するほうが望ましいとは限らないことが示されると、米トマス・ジェファーソン大学(フィラデルフィア)のAlan Hilibrand氏は述べている。「米国では、持続的な効果を得るために固定術を行う傾向が今後も続くと考えられるが、固定術の利用はもっと微妙な問題だ」と同氏は述べ、2件の研究はこの問題への注目を促した点で優れたものだと指摘している。(HealthDay News 2016年4月13日)

http://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/backache-news-53/spinal-fusion-surgery-not-always-necessary-for-back-pain-studies-say-709969.html
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