米国疾病管理予防センター(CDC)は先ごろ、ジカウイルスが先天性異常である小頭症の原因となりうると断定した。これを受けて米国では、ウイルスの流行地域では妊娠を控えるように政府が推奨すべきか否かという議論が起こっている。ニューヨークタイムズによると、一部の専門家は、蚊の繁殖期に妊娠を避けることが小頭症を予防する唯一の方法だとしている。一方で、女性の妊娠について政府が指図すべきではないとの見解もある。これまでに米国政府が地域の女性全員に妊娠を避けるよう勧告した例はなく、さらに、ウイルスの流行するラテンアメリカでも、児の大半は健康に出生しているという。.現在、米国政府の保健当局は、妊婦に対してジカウイルスの感染地域(ラテンアメリカおよびカリブ海地域)を避けるように推奨している。また、ウイルスに曝された可能性のある人や感染の徴候・症状(発熱、発疹など)がある人には検査が推奨される。.CDCの報告によると、1月3日から3月5日までに4,534人の検査を実施し、うち3,335人(73.6%)が妊婦だった。1,541人にジカウイルス関連の症状があり、182人(11.8%)の感染が確定された。症状のない妊婦で感染が認められたのは2,425人中7人(0.3%)だった。.CDCが発行する「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」4月15日号の報告によると、現時点では米国の曝露例の大半は国外渡航によるものであり、症状がない場合は感染の可能性は低い。しかし、曝露した可能性のある妊婦では、小頭症リスクがあるため、引き続き検査する必要があるという。保健当局は、感染例の80%は軽症または感染に気づかないと推定している。.CDC所長のTom Frieden氏は、ジカウイルスが小頭症を引き起こすことについては疑いの余地はないとしており、同センターのSonja Rasmussen氏らは4月13日、ジカウイルスと小頭症に関するレビューを「New England Journal of Medicine」オンライン版に報告した。しかし同氏によれば、胎児の発達への影響についてはまだ不明な点も多いという。たとえば、感染した女性から正常にみえる児が生まれることもあるため、正確なリスクがどの程度なのかは明らかにされていない。正常にみえる児にも将来的に学習障害などの影響があるのか、また脳以外の先天性異常を生じうるのかも判明していない。.感染地域に住む女性は、長袖長ズボンを着用し、屋外に出ない、蚊を室内に入れない、虫よけを使用するなどの自衛策を取るほか、蚊の繁殖する水溜りを排除するよう、CDCは勧めている。.米国では、蚊の繁殖期になるとジカウイルス感染も活発化すると予想される。フロリダ州、テキサス州などの湾岸地域は特にリスクが高いが、ウイルスを媒介するネッタイシマカの生息範囲はサンフランシスコやニューヨーク市にも及んでいる。(HealthDay News 2016年4月15日).http://consumer.healthday.com/disabilities-information-11/misc-birth-defect-news-63/zika-virus-causes-brain-defects-in-babies-cdc-710057.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
米国疾病管理予防センター(CDC)は先ごろ、ジカウイルスが先天性異常である小頭症の原因となりうると断定した。これを受けて米国では、ウイルスの流行地域では妊娠を控えるように政府が推奨すべきか否かという議論が起こっている。ニューヨークタイムズによると、一部の専門家は、蚊の繁殖期に妊娠を避けることが小頭症を予防する唯一の方法だとしている。一方で、女性の妊娠について政府が指図すべきではないとの見解もある。これまでに米国政府が地域の女性全員に妊娠を避けるよう勧告した例はなく、さらに、ウイルスの流行するラテンアメリカでも、児の大半は健康に出生しているという。.現在、米国政府の保健当局は、妊婦に対してジカウイルスの感染地域(ラテンアメリカおよびカリブ海地域)を避けるように推奨している。また、ウイルスに曝された可能性のある人や感染の徴候・症状(発熱、発疹など)がある人には検査が推奨される。.CDCの報告によると、1月3日から3月5日までに4,534人の検査を実施し、うち3,335人(73.6%)が妊婦だった。1,541人にジカウイルス関連の症状があり、182人(11.8%)の感染が確定された。症状のない妊婦で感染が認められたのは2,425人中7人(0.3%)だった。.CDCが発行する「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」4月15日号の報告によると、現時点では米国の曝露例の大半は国外渡航によるものであり、症状がない場合は感染の可能性は低い。しかし、曝露した可能性のある妊婦では、小頭症リスクがあるため、引き続き検査する必要があるという。保健当局は、感染例の80%は軽症または感染に気づかないと推定している。.CDC所長のTom Frieden氏は、ジカウイルスが小頭症を引き起こすことについては疑いの余地はないとしており、同センターのSonja Rasmussen氏らは4月13日、ジカウイルスと小頭症に関するレビューを「New England Journal of Medicine」オンライン版に報告した。しかし同氏によれば、胎児の発達への影響についてはまだ不明な点も多いという。たとえば、感染した女性から正常にみえる児が生まれることもあるため、正確なリスクがどの程度なのかは明らかにされていない。正常にみえる児にも将来的に学習障害などの影響があるのか、また脳以外の先天性異常を生じうるのかも判明していない。.感染地域に住む女性は、長袖長ズボンを着用し、屋外に出ない、蚊を室内に入れない、虫よけを使用するなどの自衛策を取るほか、蚊の繁殖する水溜りを排除するよう、CDCは勧めている。.米国では、蚊の繁殖期になるとジカウイルス感染も活発化すると予想される。フロリダ州、テキサス州などの湾岸地域は特にリスクが高いが、ウイルスを媒介するネッタイシマカの生息範囲はサンフランシスコやニューヨーク市にも及んでいる。(HealthDay News 2016年4月15日).http://consumer.healthday.com/disabilities-information-11/misc-birth-defect-news-63/zika-virus-causes-brain-defects-in-babies-cdc-710057.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.