日本人男性では、食事の酸性度が強まるほど糖尿病の発症リスクが上昇するが、女性ではこうした関連性は認められないとする研究結果を、国立国際医療研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)が発表した。野菜や果物、豆類などのアルカリ性食品を多く摂取することが糖尿病予防につながる可能性があるとしている。詳細は「Journal of Nutrition」4月6日オンライン版に掲載された。野菜や果物、海藻、豆類などのアルカリ性食品が少なく、肉類や魚類、卵などの酸性食品を多く含んだ食事を摂取すると、血液が酸性に傾いた代謝性アシドーシスの状態になり、これが糖代謝障害につながると考えられている。研究グループは今回、JPHC研究の開始時点と5年後の調査時点で糖尿病を発症していなかった男女約6万4,000人(45~75歳)を対象にその後5年間追跡し、食事の酸塩基バランスと糖尿病発症との関連を調べた。.研究グループは、調査開始から5年後の質問紙調査データを用いて、たんぱく質、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムの摂取量を推定し、食事の酸性とアルカリ性(塩基性)の度合いを表す「潜在的腎臓酸負荷(PRAL)」と「推定内因性酸産生量(NEAP)」を算出し、これらのスコアと調査開始10年後の糖尿病発症との関連を検討した。.追跡期間中、1,191人(男性691人、女性500人)が新たに糖尿病を発症した。対象をPRALおよびNEAPスコアで四分位に分けて解析したところ、男性ではPRALスコアが高くなるほど糖尿病リスクが上昇しており、スコアが最も低い群に比べて最も高い群でリスクは1.25倍であった。このPRALスコアと糖尿病リスクの関連は50歳未満の男性で強かった。また、女性では食事の酸性度と糖尿病リスクとの間に関連性は認められなかった。.以上の結果について、研究グループは、高齢者は高血圧や脂質異常症などの存在が食事と糖尿病リスクとの関連を覆い隠した可能性や、女性は男性に比べて野菜や果物の摂取量が多く、食事の酸性度が平均的に低かった可能性があるとの見方を示している。(HealthDay News 2016年5月2日).Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
日本人男性では、食事の酸性度が強まるほど糖尿病の発症リスクが上昇するが、女性ではこうした関連性は認められないとする研究結果を、国立国際医療研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)が発表した。野菜や果物、豆類などのアルカリ性食品を多く摂取することが糖尿病予防につながる可能性があるとしている。詳細は「Journal of Nutrition」4月6日オンライン版に掲載された。野菜や果物、海藻、豆類などのアルカリ性食品が少なく、肉類や魚類、卵などの酸性食品を多く含んだ食事を摂取すると、血液が酸性に傾いた代謝性アシドーシスの状態になり、これが糖代謝障害につながると考えられている。研究グループは今回、JPHC研究の開始時点と5年後の調査時点で糖尿病を発症していなかった男女約6万4,000人(45~75歳)を対象にその後5年間追跡し、食事の酸塩基バランスと糖尿病発症との関連を調べた。.研究グループは、調査開始から5年後の質問紙調査データを用いて、たんぱく質、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムの摂取量を推定し、食事の酸性とアルカリ性(塩基性)の度合いを表す「潜在的腎臓酸負荷(PRAL)」と「推定内因性酸産生量(NEAP)」を算出し、これらのスコアと調査開始10年後の糖尿病発症との関連を検討した。.追跡期間中、1,191人(男性691人、女性500人)が新たに糖尿病を発症した。対象をPRALおよびNEAPスコアで四分位に分けて解析したところ、男性ではPRALスコアが高くなるほど糖尿病リスクが上昇しており、スコアが最も低い群に比べて最も高い群でリスクは1.25倍であった。このPRALスコアと糖尿病リスクの関連は50歳未満の男性で強かった。また、女性では食事の酸性度と糖尿病リスクとの間に関連性は認められなかった。.以上の結果について、研究グループは、高齢者は高血圧や脂質異常症などの存在が食事と糖尿病リスクとの関連を覆い隠した可能性や、女性は男性に比べて野菜や果物の摂取量が多く、食事の酸性度が平均的に低かった可能性があるとの見方を示している。(HealthDay News 2016年5月2日).Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.