親の認識と子どもの体重との間には、複雑な関係があることが、スウェーデンで開催された欧州肥満サミットで報告された2件の研究で示された。一方の研究では、実際の子どもの体重がどうであれ、親に過体重だと思われていると子どもの体重増加幅が大きいことが、もう一方の研究では、親の82%以上が過体重や肥満の子どもの体重を過小評価していることがわかったという。.最初の研究は、研究開始時点で4~5歳だったオーストラリアの小児3,500人強を対象としたもの。対象とした小児の75%以上が適正体重だったが、20%近くに過体重~肥満がみられた。.解析の結果、子どもが過体重であると認識している親は20%に過ぎないことが判明した。しかし、親から過体重だと思われている子どもは、正しい認識であるかはともかく、親が適正体重だと思っている子どもに比べて、13歳時点までの体重増加幅が大きかったという。.「一般に信じられているのとは反対に、親が自分の子どもを過体重だと認識していると、子どもの実際の体重にかかわらず、体重増加を阻止するどころか、かえって体重を増やしてしまう可能性がある」と、研究著者である英リバプール大学のEric Robinson氏は述べている。.同氏らによると、子どもに過体重というレッテルをはることで、子どもが過食に走ったり、親が子どもを慰めるために食べ物を与えてしまう傾向があることが、これまで多く報告されており、これらの関連性については今後さらなる研究が必要だとしている。なお、この知見は「Pediatrics」オンライン版にも5月31日掲載された。.2つ目の研究は、オランダの5~6歳の小児2,800人強の親を対象としたもの。その結果、約7割の親が子どもの体重を正しく推定できたが、過体重または肥満の子どもをもつ親の82%は、子どもの体重を過小評価していることがわかった。.過体重または肥満の家族が半数以上を占めた家庭では、半数未満だった家庭に比べて、親が肥満の子どもの体重を実際よりも過小評価する傾向が高かった。また、肥満の子どもの割合は、貧困家庭の16%に対し、裕福な家庭では11%と、肥満率は親の社会経済的状況に左右されることもわかった。さらに、子どもの肥満を正しく認識できている親の割合は、富裕層では3分の1だったが、中流~貧困層の家庭では20%に過ぎなかった。.研究を実施したフローニンゲン大学医療センター(オランダ)のGrietje Lijklema氏らは「社会経済的な地位が高い親は、過体重の子どもを正しく認識する点では優れていることがわかったが、全体的にみると、親が正しく認識できているかどうかは、家族に占める過体重者の割合に依存していた」と報告している。.なお、学会発表された知見は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2016年5月31日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/child-development-news-124/parents-perceptions-affect-kids-obesity-risk-711474.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
親の認識と子どもの体重との間には、複雑な関係があることが、スウェーデンで開催された欧州肥満サミットで報告された2件の研究で示された。一方の研究では、実際の子どもの体重がどうであれ、親に過体重だと思われていると子どもの体重増加幅が大きいことが、もう一方の研究では、親の82%以上が過体重や肥満の子どもの体重を過小評価していることがわかったという。.最初の研究は、研究開始時点で4~5歳だったオーストラリアの小児3,500人強を対象としたもの。対象とした小児の75%以上が適正体重だったが、20%近くに過体重~肥満がみられた。.解析の結果、子どもが過体重であると認識している親は20%に過ぎないことが判明した。しかし、親から過体重だと思われている子どもは、正しい認識であるかはともかく、親が適正体重だと思っている子どもに比べて、13歳時点までの体重増加幅が大きかったという。.「一般に信じられているのとは反対に、親が自分の子どもを過体重だと認識していると、子どもの実際の体重にかかわらず、体重増加を阻止するどころか、かえって体重を増やしてしまう可能性がある」と、研究著者である英リバプール大学のEric Robinson氏は述べている。.同氏らによると、子どもに過体重というレッテルをはることで、子どもが過食に走ったり、親が子どもを慰めるために食べ物を与えてしまう傾向があることが、これまで多く報告されており、これらの関連性については今後さらなる研究が必要だとしている。なお、この知見は「Pediatrics」オンライン版にも5月31日掲載された。.2つ目の研究は、オランダの5~6歳の小児2,800人強の親を対象としたもの。その結果、約7割の親が子どもの体重を正しく推定できたが、過体重または肥満の子どもをもつ親の82%は、子どもの体重を過小評価していることがわかった。.過体重または肥満の家族が半数以上を占めた家庭では、半数未満だった家庭に比べて、親が肥満の子どもの体重を実際よりも過小評価する傾向が高かった。また、肥満の子どもの割合は、貧困家庭の16%に対し、裕福な家庭では11%と、肥満率は親の社会経済的状況に左右されることもわかった。さらに、子どもの肥満を正しく認識できている親の割合は、富裕層では3分の1だったが、中流~貧困層の家庭では20%に過ぎなかった。.研究を実施したフローニンゲン大学医療センター(オランダ)のGrietje Lijklema氏らは「社会経済的な地位が高い親は、過体重の子どもを正しく認識する点では優れていることがわかったが、全体的にみると、親が正しく認識できているかどうかは、家族に占める過体重者の割合に依存していた」と報告している。.なお、学会発表された知見は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2016年5月31日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/child-development-news-124/parents-perceptions-affect-kids-obesity-risk-711474.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.