女性では不安症になる比率が男性の2倍であることが、英国の研究で明らかにされた。また、北米および西欧に住む人は不安症になりやすいことも判明し、北米では100人に8人弱が不安症に罹患しているのに対して、最も低い東アジアでは100人につき3人だったという。研究を率いた英ケンブリッジ大学のOlivia Remes氏は、「不安症は重大な疾患であり、見過ごしてはならない」と述べている。不安症は、人の集まりなどの緊張の多い状況に対して過度の不安や恐れ、回避などがみられるのが特徴である。心理療法や薬物療法のほか、精神面の健康を向上させる運動、瞑想、ヨガなどの対処法があるという。.今回のレビューでは、不安症に関する1,200件超の研究について調べ、そのうち48件に焦点を当てた。その結果、1990年から2010年まで、不安症の全体の患者数はほぼ一定(100人に約4人)であった。女性患者は男性のほぼ2倍(9%)であり、35歳未満の男女の10%が不安症を抱えていることもわかった。.女性が不安症になりやすい理由はわかっていないが、脳内の化学物質の男女差が考えられると、Remes氏は指摘する。若者が不安症になりやすい理由としては、他の年代の人は不安を上手く隠している可能性があるという。また、他に健康上の問題を抱える人も不安症の罹患率が高く、たとえば心疾患患者では西洋諸国に住む人(特に女性)の約11%、多発性硬化症患者では32%が不安症を訴えていた。.さらに、不安症の一種である強迫性障害(OCD)は、妊娠中や産後の女性が罹りやすいことも判明。一般集団の罹患率は100人に1人だが、妊婦では2倍であり、出産直後の女性ではそれよりやや多かった。米国では不安症によるコストは年間推定420億ドルにもなり、EUでは年間6,000万人が不安症を抱えているとされる。Remes氏らはこのほか、北米、オーストラリア、ニュージーランドの先住民をはじめとする一部の集団に関しては、情報の不足や質の問題があることも明らかにしている。.「不安症は文化によって表れ方が異なることがある。たとえば、西洋における社会不安は、人が批判的に自分を見ていることを恐れ、自意識過剰になるのに対し、アジア文化では他人の気分を害することに不安を感じる」とRemes氏は説明する。米国の専門家は、「詳細な研究と文化に応じた治療法が必要であり、不安症に対してもっと着目すべきだ」と述べている。この研究は、「Brain and Behavior」6月号に掲載された。(HealthDay News 2016年6月6日).https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/anxiety-news-33/young-white-women-at-higher-anxiety-risk-711700.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
女性では不安症になる比率が男性の2倍であることが、英国の研究で明らかにされた。また、北米および西欧に住む人は不安症になりやすいことも判明し、北米では100人に8人弱が不安症に罹患しているのに対して、最も低い東アジアでは100人につき3人だったという。研究を率いた英ケンブリッジ大学のOlivia Remes氏は、「不安症は重大な疾患であり、見過ごしてはならない」と述べている。不安症は、人の集まりなどの緊張の多い状況に対して過度の不安や恐れ、回避などがみられるのが特徴である。心理療法や薬物療法のほか、精神面の健康を向上させる運動、瞑想、ヨガなどの対処法があるという。.今回のレビューでは、不安症に関する1,200件超の研究について調べ、そのうち48件に焦点を当てた。その結果、1990年から2010年まで、不安症の全体の患者数はほぼ一定(100人に約4人)であった。女性患者は男性のほぼ2倍(9%)であり、35歳未満の男女の10%が不安症を抱えていることもわかった。.女性が不安症になりやすい理由はわかっていないが、脳内の化学物質の男女差が考えられると、Remes氏は指摘する。若者が不安症になりやすい理由としては、他の年代の人は不安を上手く隠している可能性があるという。また、他に健康上の問題を抱える人も不安症の罹患率が高く、たとえば心疾患患者では西洋諸国に住む人(特に女性)の約11%、多発性硬化症患者では32%が不安症を訴えていた。.さらに、不安症の一種である強迫性障害(OCD)は、妊娠中や産後の女性が罹りやすいことも判明。一般集団の罹患率は100人に1人だが、妊婦では2倍であり、出産直後の女性ではそれよりやや多かった。米国では不安症によるコストは年間推定420億ドルにもなり、EUでは年間6,000万人が不安症を抱えているとされる。Remes氏らはこのほか、北米、オーストラリア、ニュージーランドの先住民をはじめとする一部の集団に関しては、情報の不足や質の問題があることも明らかにしている。.「不安症は文化によって表れ方が異なることがある。たとえば、西洋における社会不安は、人が批判的に自分を見ていることを恐れ、自意識過剰になるのに対し、アジア文化では他人の気分を害することに不安を感じる」とRemes氏は説明する。米国の専門家は、「詳細な研究と文化に応じた治療法が必要であり、不安症に対してもっと着目すべきだ」と述べている。この研究は、「Brain and Behavior」6月号に掲載された。(HealthDay News 2016年6月6日).https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/anxiety-news-33/young-white-women-at-higher-anxiety-risk-711700.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.