2HDN糖尿病ニュース7月21日配信2
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赤肉の摂取量が腎不全リスクと関連する(2016.7.21配信)

牛や豚、羊肉などの「赤肉」の摂取量が多いほど腎不全リスクが増加し、1日1サービング分(約60~85g)の赤肉を他のタンパク源に替えることでこのリスクは低減する可能性が、シンガポールで行われた大規模研究で示唆された。

この研究によると、赤肉、とくに豚肉の摂取量と末期腎不全(ESRD)リスクの増加は用量依存的に強く関連しており、生活習慣因子やその他の関連因子を調整した解析でも同様の結果が得られたという。

「今回の知見は、慢性腎臓病(CKD)患者や腎機能の低下が懸念される一般集団では、タンパク源を植物性に替える必要性を示唆するものである」と、著者の1人であるデューク・シンガポール国立大学医学大学院教授のWoon-Puay Koh氏は述べている。同氏は「動物性であれば、魚介類や鶏肉のほうが赤肉よりはよい選択肢になる」とも指摘している。

近年では、赤肉の摂取はヒトの健康に有害である可能性が指摘されており、世界保健機構(WHO)も昨年、赤肉の摂取量とがんリスクが関連する可能性を警告している。2015年11月に「Cancer」で報告された研究によると、高温で調理された加工肉が腎がんリスクの上昇と関連する可能性が示された。

今回の研究では、中国およびシンガポールの成人男女6万3,000人強を平均15.5年間追跡した。1日のタンパク質摂取量について質問票を用いて調査し、ESRD症例数は全国患者登録の記録をもとに算出した。今回の対象者における赤肉摂取量のほとんどは豚肉からのもので、他のタンパク源は鶏肉、魚介類、卵、乳製品、ダイズ、豆類であった。米国農務省によると、豚肉は調理後には白っぽくなるが赤肉として分類されるという。

その結果、赤肉の摂取量が最も多かった群では、最も少なかった群に比べてESRDリスクが40%高いことがわかった。鶏肉、魚類、卵、乳製品ではみられなかったが、ダイズや豆類ではESRDの若干の予防効果がみられたという。さらに、1日1サービング分の赤肉摂取を他のタンパク源に替えるだけで腎不全リスクが低減することも判明した。たとえば、赤肉を鶏肉に替えるとそのリスクは62%低下するとしている。

米ベイラー医科大学(ヒューストン)のWilliam Mitch氏は、「腎臓病患者では低タンパク食が有益であることは多くの研究で示されているが、タンパク質を多く摂取することが腎不全につながることを裏づける説得力あるエビデンスは、現時点ではない」とコメントしている。

また、米国の食肉団体である北米食肉協会(ワシントンD.C.)副所長のBetsy Booren氏は、この研究では因果関係は証明されておらず、また、米国と中国での食生活の違いや人種差、遺伝的背景の差などもあり、結果の解釈には注意を要すると指摘しつつ、「今回の知見を北米の人口集団にそのまま適応するのは不適切で時期尚早だ」と述べている。

この知見は、「Journal of the American Society of Nephrology」オンライン版に7月14日掲載された。(HealthDay News 2016年7月14日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/too-much-red-meat-might-harm-kidneys-study-712908.html

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