夜間の光曝露量が多く、日中の光曝露量が少ない人ほど肥満リスクが高まる可能性があることが、奈良県立医科大学地域健康医学講座の大林賢史氏らの研究でわかった。同氏らの研究グループが実施する「平城京スタディ」に参加した対象者のデータを分析したもので、日常生活における光曝露量と肥満リスクとの関連を報告した初めての研究論文であるという。詳細は「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に7月7日掲載された。平城京スタディ（The HEIJO-KYO Cohort）は、住環境が健康に及ぼす影響を調査することを目的に2010年に開始された前向きコホート研究で、これまでに横断解析で夜間の光曝露が睡眠障害だけでなく、肥満や脂質異常症、動脈硬化と関連することを報告してきた。今回、同氏らは、同スタディのデータを用いて光曝露量と肥満指標との関連を縦断的に分析した。.同氏らは、同スタディに参加した60歳以上の男女1,110人（平均年齢71.9歳）のベースライン調査データと766人の約2年間の追跡データを分析した。肥満指標には腹囲身長比（WHtR）と体重身長比（BMI）を用いた。夜間の光曝露量は対象者の自宅寝室に設置した照度センサーで、日中の光曝露量は腕時計型の照度センサーを用いて1分間隔で2日間測定した。.年齢や性、カロリー摂取量、身体活動量、睡眠指標などの交絡因子で調整した多変量混合線形分析で、就寝前4時間から夜間就寝中の光曝露量が多いほど、その後のWHtRやBMIの増加と有意に関連していた。さらに、起床後4時間の光曝露量が少ないほど、その後のWHtRの増加と有意に関連していた。.以上の結果について、同氏は「体内時計（生体リズム）は光の影響を強く受けることが知られている。夜間に多く、日中に少ない光曝露が生体リズムを乱し、肥満指標の増加を引き起こしたと考えられる。昼間は屋外でたくさん光を浴びて、夜は人工照明やスマートフォンの光を避けることで肥満を予防できる可能性がある」と説明している。（HealthDay News 2016年7月25日）.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
夜間の光曝露量が多く、日中の光曝露量が少ない人ほど肥満リスクが高まる可能性があることが、奈良県立医科大学地域健康医学講座の大林賢史氏らの研究でわかった。同氏らの研究グループが実施する「平城京スタディ」に参加した対象者のデータを分析したもので、日常生活における光曝露量と肥満リスクとの関連を報告した初めての研究論文であるという。詳細は「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に7月7日掲載された。平城京スタディ（The HEIJO-KYO Cohort）は、住環境が健康に及ぼす影響を調査することを目的に2010年に開始された前向きコホート研究で、これまでに横断解析で夜間の光曝露が睡眠障害だけでなく、肥満や脂質異常症、動脈硬化と関連することを報告してきた。今回、同氏らは、同スタディのデータを用いて光曝露量と肥満指標との関連を縦断的に分析した。.同氏らは、同スタディに参加した60歳以上の男女1,110人（平均年齢71.9歳）のベースライン調査データと766人の約2年間の追跡データを分析した。肥満指標には腹囲身長比（WHtR）と体重身長比（BMI）を用いた。夜間の光曝露量は対象者の自宅寝室に設置した照度センサーで、日中の光曝露量は腕時計型の照度センサーを用いて1分間隔で2日間測定した。.年齢や性、カロリー摂取量、身体活動量、睡眠指標などの交絡因子で調整した多変量混合線形分析で、就寝前4時間から夜間就寝中の光曝露量が多いほど、その後のWHtRやBMIの増加と有意に関連していた。さらに、起床後4時間の光曝露量が少ないほど、その後のWHtRの増加と有意に関連していた。.以上の結果について、同氏は「体内時計（生体リズム）は光の影響を強く受けることが知られている。夜間に多く、日中に少ない光曝露が生体リズムを乱し、肥満指標の増加を引き起こしたと考えられる。昼間は屋外でたくさん光を浴びて、夜は人工照明やスマートフォンの光を避けることで肥満を予防できる可能性がある」と説明している。（HealthDay News 2016年7月25日）.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
