Session. Female psychologist consulting pensive man during psychological therapy session
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認知行動療法よりも簡単・安価なうつ病治療法(2016.8.1配信)

成人のうつ病治療において、より簡単で安価なトークセラピーである「行動活性化療法」により、ゴールドスタンダードの認知行動療法(CBT)と同程度の効果を得られることが、新たな研究で示された。行動活性化療法は、精神医療従事者が最小限の訓練を受ければ実施することができ、費用も大幅に安いという。

CBTは、高度な訓練を受け、高い報酬を得ている専門家により実施される。多くの国で、CBTは費用を支払える患者や医療保険に加入している患者しか利用できず、長く待たなければ受けられないこともある。たとえば米国では、うつ病患者のうち12カ月以内に何らかの心理療法を受けたことのある人は4分の1にとどまるという。行動活性化療法の利用により、うつ病患者がトークセラピーを受けやすくなり、待機期間を短縮できる可能性があると、研究著者らは提唱している。

この研究は「The Lancet」オンライン版に7月22日掲載された。研究の筆頭著者である英エクセター大学(イングランド)のDavid Richards氏は、「この知見はCBTの優位性に疑問を投げかけるものだ」と述べている。

今回の研究では、成人のうつ病患者440人を、行動活性化療法群とCBT群に無作為に割り付けた。治療開始から1年後、両群で治療を継続していた約3分の2の患者において、うつ病の症状に50%以上の軽減が認められた。両群でうつ症状のない日数と不安症の診断数に差はみられず、寛解に達する比率は同等であった。行動活性化療法群の治療コストはCBT群に比べて20%低かったという。

行動活性化療法は、患者が行動を変えることを助ける「外から内」への治療であり、行動と気分を関連づけるように促すものだ。セラピストは、患者が生活のなかでより前向きになる状況を求め、経験することを手助けする。また、困難な状況に対処するのを助け、役に立たない習慣的行動に代わる代替案を見つけさせる。一方、CBTは患者の考え方に焦点を当てる「内から外」の治療であり、患者に生じる否定的な考えや信念を突き止め、変えさせる治療であるという。

Richards氏は、行動活性化療法によって富裕層と貧困層のいずれでも心理療法を利用しやすくなり、費用のかかる専門家を訓練する必要性も減少すると指摘する一方、「CBTや行動活性化療法が効かない3分の1のうつ病患者に対する有効な治療法を明らかにするには、さらに多くの研究を重ねる必要がある」と付け加えている。(HealthDay News 2016年7月22日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/depression-news-176/newer-less-costly-type-of-therapy-as-effective-as-cognitive-behavioral-therapy-713158.html

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