Liver, Gallbladder, and Pancreas Anatomy
image_print
疾患・分野別ニュース/国内ニュース/

膵脂肪沈着と2型糖尿病発症は、関連はあるものの因果関係ではない -日本人を対象に縦断的に検証(2016.8.22配信)

膵臓の脂肪沈着があると将来的に2型糖尿病を発症する可能性は高まるが、膵脂肪沈着の存在自体は2型糖尿病の発症の原因ではなさそうであることが、手稲渓仁会病院(札幌市)の山崎大氏(現・京都大学大学院医療疫学分野)らの検討でわかった。両者の関連を縦断的に検証した研究は、これが初めてだという。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に7月15日掲載された。

これまでの基礎研究や臨床研究(横断研究)により、膵臓への脂肪蓄積は膵β細胞の障害や2型糖尿病の発症と関連することが報告されている。しかし、両者の関連を縦断的に検証した報告はなく、因果関係は不明であった。そこで同氏らは、2型糖尿病をもたない健康診断受診者を対象に、膵臓の脂肪沈着と2型糖尿病との関連を検証する縦断研究を行った。

同氏らは、2008~2009年の健康診断受診時に単純CT検査を行った、2型糖尿病をもたない成人男女813人を対象に、中央値で約5年間の追跡調査を行った。膵臓の脂肪沈着量は単純CT検査で評価した。

追跡期間中に、対象者のうち62人(7.6%)で2型糖尿病の発症が確認された。個人特性を調整していない単変量解析では、ベースライン時における膵臓の脂肪沈着量が少ないほど、その後の2型糖尿病の発症率は低下していることがわかった(粗ハザード比0.97、95%信頼区間0.96~0.99)。しかし、性別や年齢、BMI、脂肪肝、飲酒といった交絡因子を調整後の解析では、膵臓の脂肪沈着量と2型糖尿病の発症は関連していなかった(多変量解析によるハザード比1.00、0.98~1.02)。

「これまでの横断研究で報告されていた膵臓の脂肪沈着と2型糖尿病の発症の関連は、因果関係ではなく、単純な相関関係ではないか」と、同氏らは結論づけている。(HealthDay News 2016年8月22日)

Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.

No Tags

RELATED ARTICLES