A modern nuclear bomb explosion in the desert.
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原爆による健康への長期的影響を分析(2016.8.22配信)

第二次世界大戦中に広島と長崎に投下された原子爆弾による健康への長期的な影響は、多くの人が考えるほど深刻なものではないという報告が、「Genetics」8月号に掲載された。フランスの分子生物学者であるBertrand Jordan氏の研究。

Jordan氏らは、約17万7,000人の被曝した生存者とその子どもと、原爆の放射線に曝露されていない2万人を対象にした60年間以上の医学研究を分析した。米国は1945年8月に原爆を投下し、20万人が直後に死亡した。

生存者では、原爆の放射線曝露によりがんリスクが10~44%上昇した。しかし、放射線に曝露されなかった人に比べて、寿命の短縮は平均数カ月間に留まっていた。また、生存者の子どもに、健康への影響や放射線に関連する変異は認められなかった。より詳しい検査により、いつの日か生存者の子どもにわずかな差があると判明する可能性はあるが、健康へのリスクは恐れるほど大きなものではないと、同氏は話している。

Jordan氏は、「科学者を含む多くの人が、生存者の健康状態は悪くなり、がん発症率が非常に高く、子どもの遺伝子疾患の発症率は高いという印象を抱いているが、実際の結果とは大きくかけ離れていた」と話し、「いつの時代も、見慣れた危険より新しい危険のほうが恐れられるものだ。たとえば石炭も炭鉱労働者および公衆衛生にとって有害だが、その害は軽視されがちだ。放射線は多くの有害化学物質に比べてはるかに検出が容易であり、携帯するガイガーカウンターで健康リスクをもたらさない微量放射線も検出できる」と述べている。

「ただし、この知見により核兵器や原子力事故の脅威に対する自己満足が生じてはならない」と同氏は述べ、2011年の福島原発事故を挙げて、日本のように原子力産業を厳格に規制している国でも災害は起こりうることが示唆されていると話している。(HealthDay News 2016年8月11日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/radiation-news-571/briefs-emb-8-11-10-00et-atomic-bomb-long-term-effects-genetics-release-batch-2809-713638.html

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