Young sleeping woman and alarm clock in bedroom at home .
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2種類の「体内時計」が睡眠周期に関与(2016.8.22配信)

睡眠を遮断したときの脳の各領域の反応には、「体内時計」と「体内砂時計」がともに影響していることが新たな研究で示され、「Science」8月12日号に掲載された。

ベルギー、リエージュ大学の研究グループが実施した今回の研究では、健康かつ若年のボランティア33人に42時間起きていてもらい、その間に注意力および反応時間の試験を実施し、さらにMRI検査により脳活動を記録した。予想通り、断眠時間が長くなるほど試験の成績は低下していた。

一方で、検査の結果、「概日リズム」と「恒常的睡眠欲」という2つの基礎的な生物学的プロセスの間に複雑な相互作用があることが明らかにされた。

同誌の付随論説を執筆した米ハーバード大学医学大学院(ボストン)睡眠医学教授のCharles Czeisler氏によると、概日リズムは時計のようなもので、光と暗闇に反応して睡眠・覚醒サイクルを決定する。それに対して、睡眠欲は砂時計のようなものであり、起きている時間が長くなるほど眠りたい欲求が増大する。

このため、たとえば午前7時から翌朝の午前7時まで起きていた後に寝る場合、眠りには落ちるものの、「体内の目覚まし」が鳴って数時間で目が覚めるのだと同氏は説明する。「睡眠時間の長さを決定する主要因は、起きていた時間の長さではなく、体内の『時刻』である」と同氏は話す。

睡眠の専門家である米ワシントン州立大学スポケーン校のChristopher Davis氏は、「この2つのプロセスは以前から認識されていたが、今回の新たな知見から、断眠中に各プロセスが異なる脳領域にどのように影響を及ぼすのかが明らかにされた」と述べている。しかし、多くの人にとって重要なことは、単純に睡眠を多く取ることだと同氏は言う。

もちろん、普通は連続42時間も起きていることはないが、現実的なレベルの睡眠不足でも仕事の能力は低下し、事故リスクが増大する原因となる。また、習慣的な睡眠不足の人は2型糖尿病や心疾患などのリスクも高くなる。しかし、仕事によっては長時間起きていたり、夜間に活動したりしなくてはならないこともあり、睡眠を増やすことは口で言うほど簡単ではないとDavis氏は認めている。また、Czeisler氏によると、現代の工業化社会では人工光があふれているため、覚醒時間が夜遅くにずれこみ、不眠症増加の一因となっているという。

米国立睡眠財団(NSF)は、65歳未満の成人は毎晩7~9時間、65歳以上では7~8時間の睡眠を取ることを推奨している。しかし、「正しい」睡眠量は人によって異なるとDavis氏は指摘し、自分の昼間の眠気レベルに注意を払うことを勧めている。(HealthDay News 2016年8月12日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/brain-relies-on-two-timekeepers-for-sleep-713825.html

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