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がんや生活習慣病と喫煙の因果関係は「確実」と判定-厚労省(2016.9.5配信)

厚生労働省は8月31日、「喫煙の健康影響に関する検討会報告書(たばこ白書)案」を15年ぶりに改訂し公表した。疫学研究などのシステマティックレビューを行い、たばことさまざまな疾患との因果関係を4段階で評価した結果をまとめ、肺や口腔・咽頭、喉頭などの10種のがんのほか、心筋梗塞や脳卒中、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などとの因果関係を「推定するのに十分な証拠がある(確実)」と判定し、明記した。

報告書によると、喫煙による年間死亡者数は、世界では能動喫煙により約500万人、受動喫煙により約60万人と報告されており、日本ではそれぞれ約13万人、約1万5,000人(肺がん、虚血性心疾患および脳卒中による死亡)と推計されている。

たばこの喫煙者本人への影響として因果関係が「確実」とされたのは、肺、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔、食道、胃、肝臓、膵臓、膀胱および子宮頸部の各種がん、肺がん患者の生命予後の悪化、がん患者の二次がん罹患、かぎたばこによる発がん。このほか、脳卒中、虚血性心疾患、腹部大動脈瘤などの循環器疾患、COPD、呼吸機能低下、結核による死亡などの呼吸器疾患、2型糖尿病の発症、歯周病なども因果関係は「確実」と判定された。

これらの疾患のうち2型糖尿病の発症とたばこの関連については、国内外で十分な数の研究があり、量反応関係も認められており、機序としては、炎症、酸化ストレス、内皮機能障害による耐糖能の悪化、ニコチンによるインスリン抵抗性の亢進などが示唆されているとしている。禁煙後に糖尿病リスクが低下するのか、その詳細な機序については、今後国内での研究を行う必要があるという。

また、受動喫煙でも肺がん、脳卒中、虚血性心疾患のほか、小児の受動喫煙と喘息の既往との関連、妊婦の能動喫煙および小児の受動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)との関連は「確実」であると判定した。

日本の受動喫煙防止対策や脱たばこ対策は、2014年時点で国際的にも最低レベルであるとし、同省は国を挙げた対策の実施が必要としている。(HealthDay News 2016年9月5日)

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