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睡眠時無呼吸のCPAP治療で心リスクは低減せず(2016.9.8配信)

閉塞型睡眠時無呼吸による夜間の呼吸困難と心血管リスクの間には関連があるとされてきたが、新たな研究で、CPAP治療により睡眠時無呼吸の症状が低減しても、心筋梗塞、脳卒中、心臓関連死の長期的なリスクの低減はみられないことが判明した。

CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、夜間に特殊なマスクを装着することにより呼吸を補助する治療法である。

オーストラリア、フリンダーズ大学アデレート睡眠健康研究所のDoug McEvoy氏らは今回の研究で、7カ国89カ所の臨床施設から中等度~重度の睡眠時無呼吸患者2,700人強を選択した。高齢男性が多く(平均年齢61歳)、過体重、習慣性のいびきが多くの人にみられた。全被験者が何らかの心疾患の診断を受けていた。

被験者の約半数はCPAPを使用する群、残りの半数はCPAPなしで標準的な心疾患治療と睡眠に関する助言を行う「通常治療」を受ける群に、ランダムに割り付けた。

CPAPの使用経験がある被験者はいなかったが、試験開始前には全被験者で器具の使用に慣れるための期間を設けた。しかし、CPAP療法は継続が難しいことで知られており、今回の研究でも一晩の器具使用は平均約3時間にとどまった。

両群の心血管転帰を約4年間にわたり追跡した結果、心臓関連死、心筋梗塞、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)、心不全による入院の発生率に群間差はみられなかった。たとえば、心筋梗塞や脳卒中などの「重大な心血管イベント」の発生率は、CPAP群の17%に対し通常治療群では15.4%であり、統計学的有意差は認められなかった。

一方、CPAP群には昼間の眠気の軽減、健康関連QOLの向上、労働損失日数の減少、気分の向上、抑うつリスクの低減が認められた。

このような改善が心臓の健康向上につながらなかった理由として、McEvoy氏は、これまでの観察研究では睡眠時無呼吸と心血管転帰との関連が「過大評価」されていた可能性があると述べている。もう1つの要因は、CPAPの使用時間が不十分である可能性であり、被験者のうちCPAPの使用時間が長かった人(一晩4時間以上)には「脳卒中の減少傾向」がみられたと、同氏は指摘している。

今回の研究は「New England Journal of Medicine」に8月28日オンライン掲載されると同時に、ローマで開催された欧州心臓病学会(ESC)年次集会でも発表された。

米国心臓病学会(ACC)会長のRichard Chazal氏は、「本研究はとてもよくできた研究だ」として、今回の知見に基づけば、3時間以内のCPAP使用による心リスクの低減については「確信をもてない」と述べる一方、CPAPの使用時間が延長すればある程度の便益がみられる可能性があると同意し、「医師や介護者、チーム全体で、コンプライアンスを向上させる方法を探す必要がある」と述べている。(HealthDay News 2016年8月30日)

https://consumer.healthday.com/sleep-disorder-information-33/apnea-sleep-problems-news-624/sleep-apnea-mask-treatment-fails-to-curb-heart-risks-714310.html

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