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免疫抑制を用いないiPS細胞移植、サル研究で成功(2016.9.26配信)

再プログラム化したサルの幹細胞を、免疫抑制剤を用いずに別のサルの眼に移植することに成功したと、科学者らが報告している。

この技術の長期的な目標は、損傷した組織や器官を、幹細胞から作製した新たな組織や器官に交換できるようにすることである。既に、成熟したヒト細胞を再プログラム化して幹細胞化し、特定の細胞型に分化させることは可能となっているが、拒絶反応を避けるためにはその細胞を本人の皮膚細胞から作製する必要がある。

日本、理化学研究所多細胞システム形成研究センター(CDB)の研究チームは、加齢黄斑変性症の患者に、患者自身の皮膚細胞から作製した幹細胞を移植する試験を開始している。この試験では、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜色素細胞を作製し、網膜損傷のある患者に移植する。iPS細胞は患者本人の細胞から作製されるため拒絶反応は問題とならないが、この技術には高額な費用と長い期間を要し、移植を受けるまでに1年以上も待つこともある。

同研究所の杉田直氏は、「iPS細胞移植の実用化に向けて、現在の目標は、必要なときに誰にでも移植できるiPS細胞由来の組織バンクをつくることである」と述べている。しかし、他人に由来する組織を移植する場合は、免疫反応や組織拒絶反応という大きな問題を克服する必要がある。

そこで同氏らは、今回の研究において、拒絶反応を回避するもう1つの方法である主要組織適合抗原(MHC)の適合について試験した。MHCは、ヒトの場合はヒト白血球抗原(HLA)としても知られる。全ての細胞表面に存在し、免疫系で機能する蛋白群である。MHCには遺伝的な多様性があり、MHCの適合しないドナーから移植を受けると免疫系による拒絶反応が生じる。

研究グループは、幹細胞バンクよりサルのiPS細胞から作製した網膜色素細胞を入手し、別のサルの眼に移植した。MHC不適合のサルにはすぐに拒絶反応が生じたが、MHCの適合するサルでは、免疫系を抑制する薬剤を使用しなくても、少なくとも6カ月は移植細胞が拒絶反応なく生存していた。

今回の結果は「Stem Cell Reports」オンライン版に9月15日掲載された。同じ号に掲載された同グループの別の研究では、ヒト細胞を用いて実験室レベルでサルと同様の結果が得られている。次の臨床試験の結果により、細胞バンクがヒトにも有用であるかどうかが明らかにされるはずだと、杉田氏は述べている。ただし、動物研究の結果は、ヒトでは再現できない場合も少なくないことに留意する必要がある。(HealthDay News 2016年9月15日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/animal-research-956/monkey-stem-cells-transplanted-successfully-without-anti-rejection-drugs-714827.html

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