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働き盛りの2型糖尿病患者の合併症スクリーニング受診に課題 -大規模レセプトデータを解析、東大の研究グループ(2016.10.3配信)

治療を継続中の働く世代の2型糖尿病患者では、多くの患者がHbA1cや脂質値を定期的に検査している一方で、糖尿病網膜症や腎症などの合併症スクリーニングの受診率は低いことが、大規模なレセプトデータを用いた調査でわかった。年1回の糖尿病網膜症検査の受診率は約36%、尿中微量アルブミン検査の実施率は約15%にすぎず、とくに糖尿病網膜症検査は20~50歳代の勤労男性で低かった。東京大学大学院公衆衛生学の小林廉毅氏らの研究グループによるもので、詳細は「BMJ Open Diabetes Research & Care」オンライン版に9月9日掲載された。

近年、2型糖尿病の患者数が著しく増加している日本では、その予防と診療の質向上は喫緊の課題とされており、糖尿病網膜症や腎症、神経障害などの合併症抑制策も重視されている。研究グループは今回、組合管掌健康保険加入者57万人強(20~69歳)の大規模な診療報酬請求明細書(レセプト)の匿名化データを用いて、糖尿病診療の質を評価する2年間の縦断観察研究を行った。

その結果、2010~2011年度の健康保険加入者57万人強のうち、2010年度に3カ月ごとに定期受診していた2型糖尿病患者は1万2,909人で、1,415人(11.0%)がインスリンを、6,049人(46.9%)が経口血糖降下薬を処方されていた。これらのインスリンまたは経口血糖降下薬を処方された7,464人のうち、翌年度には474人(6.4%)が治療を中断していた。

また、経口血糖降下薬を処方された患者では、95.8%がHbA1c検査を、90.6%が血清脂質検査を受けていたのに対し、日本糖尿病学会の診療ガイドラインで推奨されている年1回以上の糖尿病網膜症検査の受診率は35.6%、尿中微量アルブミン検査の実施率は15.4%にすぎなかった。インスリンを処方された患者においても、これらの実施率は同程度か若干上回る程度であった。

さらに、糖尿病網膜症検査の受診率は、60歳以上の人や女性に比べて20~50歳代の勤労男性で低かったことから、働き盛りの年齢層の男性に対する受診勧奨や受診しやすい環境づくりの必要性が浮き彫りにされた。(HealthDay News 2016年10月3日)

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