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「サルコペニア肥満」で高齢者の抑うつリスクが上昇 -とくに65~74歳で注意が必要、東大の研究グループ(2016.10.17配信)

65歳以上の高齢者では、筋肉が減り、体脂肪が増える「サルコペニア肥満」になると抑うつをきたすリスクが高まり、とくに65~74歳の高齢者では注意が必要であることが、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏による大規模コホート研究からわかった。とくに、若手研究者の石井伸弥氏(同大学医学系研究科加齢医学講座)によると、自立した生活を送っている高齢者でも、サルコペニアと肥満が併存するとうつ病の発症につながる危険性が高く、高齢化社会が進む日本では予防策の拡充が求められる。研究の詳細は「PLOS ONE」オンライン版に9月14日掲載された。

加齢や運動不足により筋肉が減るサルコペニアや、逆に過剰な脂肪が蓄積する肥満はそれぞれ、抑うつと関連することがこれまでの研究で示されているが、サルコペニアと肥満が併存した状態と抑うつとの関連は明らかにされていない。そこで、同氏らの研究グループは、日本人高齢者を対象に、サルコペニアと肥満、あるいはこれらの併存と抑うつリスクとの関連を検討する横断観察研究を行った。

対象は、2012年に千葉県柏市の在住者からランダムに抽出した、自立した生活を送っている65歳以上の高齢者1,731人(男性875人、女性856人)。サルコペニアは、四肢骨格筋量(appendicular skeletal muscle mass)、握力、歩行速度のデータをもとに判断し、肥満は体脂肪率を用いて判断した。抑うつ症状の評価には、高齢者の抑うつ尺度(Geriatric Depression Scale;GDS、6点以上)を用いた。

その結果、対象者全体のうち約1割に抑うつ症状が認められた。対象者のうち、サルコペニアでも肥満でもない人が約7割を占め、サルコペニア単独の人が約14%、肥満単独の人が約16%、両者が併存した「サルコペニア肥満」は約4%と最も少なかった。

抑うつ症状の有病率は、サルコペニアでも肥満でもない群(8.5%)とサルコペニア単独群(11.0%)、肥満単独群(11.6%)に比べてサルコペニア肥満群では26.6%と最も高く、関係する他の要素を調整した解析においても、サルコペニアと肥満は単独ではなく併存することで抑うつリスクが有意に高まることがわかった。

また、年齢層別の解析によると、サルコペニア肥満と抑うつリスク上昇との関連は、65~74歳の高齢者群でとくに抑うつリスクが高まり、一方で、75歳以上の高齢者では関連性はみられなかった。研究グループは、肥満やサルコペニアは慢性炎症やインスリン抵抗性、レプチン上昇をもたらすことが抑うつにつながる可能性を指摘している。(HealthDay News 2016年10月17日)

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