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顕微授精で生まれた男性では精子に問題が生じやすい?(2016.10.17配信)

顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)と呼ばれる不妊治療を用いたことにより生まれた男性は、自然妊娠で生まれた男性に比べて自身も精子の量や質が低い傾向のあることが、新たな研究で報告された。

研究を率いたブリュッセル自由大学(ベルギー)名誉教授のAndre Van Steirteghem氏は、「このコホートでは重度の男性不妊がみられる夫婦を治療したため、その息子において精子の質に影響が出ることは驚くべきことではない」と話している。

ICSIにより出生した男性は、精子の濃度が約半分、精子数が約3分の1で、運動精子(よく泳ぐ精子)も少なかったという。さらに、この方法で生まれた男性は、世界保健機関(WHO)が正常と定める精子濃度である1500万個/mlを下回る確率がほぼ3倍であった。ただし、今回の研究は因果関係を裏づけるものではない。

Van Steirteghem氏によると、精子に問題のある息子が生まれるリスクについては、治療の時点で両親と話し合っているという。また、精子に問題があっても必ずしも生殖補助が必要となるわけではないと、同氏は述べている。

ICSIでは、父親から採取した精子を母親の卵子に直接注入し、その受精卵を母親の子宮内に戻す。生存能力のある精子が極めて少ない男性の場合、医師が特に質の高い精子を選ぶことで受精率を高めることができると、同氏は説明している。

今回の研究では、1992~1996年にICSIを用いて生まれた男性54人の精子数を調べた。当時、この技術は男性不妊の治療にのみ用いられていた。年齢、体重、性器奇形などの精液の質に影響を及ぼしうる因子を考慮に入れて検討した結果、ICSIで生まれた男性は精液の質が低いことが判明した。

現在は、不妊の原因が精子異常にあると確認されない場合でもICSIが利用されているため、この知見はICSIで生まれた全ての男児に適用できるわけではないと、Van Steirteghem氏は警告している。米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)泌尿器科のDavid Samadi氏もこれに同意し、「ICSIは多くの夫婦が子どもをもつ助けとなっている。精子異常が遺伝によるものなのか、治療自体に起因するものなのかは明らかではない」と述べている。

ICSIまたは体外受精(IVF)で生まれた子は低出生体重の傾向があり、心臓や呼吸器に障害をもつリスクが高く、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)のリスクも高い可能性があると、Samadi氏は付け加えている。しかし、今回の研究はごく小規模であるため、精子異常の理由について結論を導くことはできないという。今回の研究結果は「Human Reproduction」オンライン版に10月5日掲載された。(HealthDay News 2016年10月7日)

https://consumer.healthday.com/infertility-information-22/infertility-news-412/males-conceived-via-fertility-treatment-may-have-weakened-sperm-study-715610.html

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