image_print
疾患・分野別ニュース/国内ニュース/

膵β細胞のインスリン分泌を阻害するタンパク質「SNAP23」を同定 -阪大、北大らの共同研究(2016.10.24配信)

大阪大学大学院細胞生物学・群馬大学生体調節研究所の原田彰宏氏らと北海道大学電子科学研究所の根本知己氏らの研究グループは、ホルモンの放出を調節するタンパク質である「SNAP23」が膵β細胞からのインスリン分泌を阻害することを、マウスを用いた実験で突き止めた。SNAP23の機能を阻害することでインスリン分泌が増加することから、新たな糖尿病治療の標的になるものと期待される。研究の詳細は「Journal of Cell Biology」オンライン版に10月3日掲載された。

膵臓は消化酵素を分泌する腺房細胞とインスリンなどのホルモンを分泌するランゲルハンス島β細胞の2つの組織から構成される。細胞内でつくられたこれらの物質の細胞外への分泌は、SNAREタンパク質によって調節されている。研究グループは、SNAREタンパク質の1つであるSNAP23に着目した。このSNAP23は全身のさまざまな組織で発現し、ホルモンや酵素の分泌を促進するものと考えられてきたが、生体内での機能は明らかにされていなかった。

研究グループは今回、膵臓の腺房細胞と膵β細胞それぞれで特異的にSNAP23遺伝子を欠損したノックアウトマウスを作製し、SNAP23の働きについて解析した。その結果、腺房細胞でSNAP23を欠損すると消化酵素(アミラーゼ)の分泌が著明に減少したのに対し、膵β細胞でSNAP23を欠損するとインスリン分泌が2倍以上に増加することがわかった。このことから、SNAP23は腺房細胞からのアミラーゼ分泌を促進する一方で、膵β細胞からのインスリン分泌を阻害する働きをもつことが明らかにされた。

さらに、理化学研究所との共同研究で、SNAP23の機能を阻害する低分子化合物としてMF286を同定した。マウスから採取した膵β細胞を用いた解析により、このMF286がインスリン分泌の増加に働くことが判明。研究グループが、MF286をマウスの腹腔内に投与したところ、血中のインスリン濃度が増加することが明らかになったという。(HealthDay News 2016年10月24日)

Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.

No Tags

RELATED ARTICLES

Search

記事カテゴリ