既存の研究を解析した結果、チョコレートに含まれるカカオは実際に身体によいという新たな裏づけが得られたことが報告された。ただし、チョコレートによる日常の健康への影響は不明であり、利益が害を上回る摂取量や種類についても明確にされていない。いずれにせよ、「チョコレートとともに摂取されるカロリーと糖分を無視すべきではない」と、研究著者である米ブラウン大学(ロードアイランド州)のXiaochen Lin氏は述べている。Lin氏らは、計1,131人の被験者にフラバノール(健康に有益とされるカカオの成分)またはプラセボのいずれかを摂取させた19件の対照試験をレビューした。フラバノール群の被験者は、1日166~2,110 mgのフラバノールを2週間~1年間にわたり摂取した。.なお、標準的なチョコレート製品にはこの用量のフラバノールは含まれていない。2011年に「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載された研究によると、人気のダークチョコレート菓子の間ではフラバノール値に大きなばらつきがあり、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートではさらに差が広がることがわかっている。.米国立衛生研究所(NIH)と製菓企業のマース社による研究、さらに米国心臓協会(AHA)と製薬企業のファイザー社による知見をレビューした結果、カカオフラバノールを含む食品を摂取した群では、トリグリセリド値が低いことが判明したという。また、炎症や血糖値をコントロールする能力の向上が示されたほか、「善玉」コレステロール値にもやや上昇がみられた。.これらの差は「軽度~中等度」であったものの、統計的に有意であった。また過体重やその他の健康問題の有無にかかわらず、同様の効果が示された。しかし、チョコレートが健康に実益をもたらすのかどうかは明らかになっておらず、長期的な影響についてはさらに研究を重ねる必要があると、研究著者らは述べている。.現時点でチョコレートの至適な摂取量についてはわかっていないが、ほとんどの既存研究はダークチョコレート(「ビタースイート」「セミスイート」とも呼ばれる)を対象としたものであったという。ダークチョコレートはカカオの含有率が高く(60%以上)、砂糖は少ないか、全く含まれていない。今回の知見を、砂糖や脂肪分の量が異なる他のチョコレート菓子に一般化すべきではないと、研究共著者のSimin Liu氏は指摘している。.今回の研究には参加していない専門家、米ルイジアナ州立大学栄養食品科学科非常勤教授のJohn Finley氏は、「カカオフラバノールが有益である理由は、糖尿病や心疾患に関連する炎症を抑える作用があるためだ」と話し、「カカオの効果を打ち消さないためには、無糖のカカオサプリメントを用いるか、健康によい食品にカカオを追加するとよい。オートミールにスプーン2杯ほどのココアをかけたり、エクストラダークココアを利用したりすると効果的だ」と勧めている。.今回の報告は「The Journal of Nutrition」オンライン版に9月28日掲載された。(HealthDay News 2016年10月20日).https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/misc-stroke-related-heart-news-360/more-evidence-that-chocolate-may-be-good-for-you-715932.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
既存の研究を解析した結果、チョコレートに含まれるカカオは実際に身体によいという新たな裏づけが得られたことが報告された。ただし、チョコレートによる日常の健康への影響は不明であり、利益が害を上回る摂取量や種類についても明確にされていない。いずれにせよ、「チョコレートとともに摂取されるカロリーと糖分を無視すべきではない」と、研究著者である米ブラウン大学(ロードアイランド州)のXiaochen Lin氏は述べている。Lin氏らは、計1,131人の被験者にフラバノール(健康に有益とされるカカオの成分)またはプラセボのいずれかを摂取させた19件の対照試験をレビューした。フラバノール群の被験者は、1日166~2,110 mgのフラバノールを2週間~1年間にわたり摂取した。.なお、標準的なチョコレート製品にはこの用量のフラバノールは含まれていない。2011年に「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載された研究によると、人気のダークチョコレート菓子の間ではフラバノール値に大きなばらつきがあり、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートではさらに差が広がることがわかっている。.米国立衛生研究所(NIH)と製菓企業のマース社による研究、さらに米国心臓協会(AHA)と製薬企業のファイザー社による知見をレビューした結果、カカオフラバノールを含む食品を摂取した群では、トリグリセリド値が低いことが判明したという。また、炎症や血糖値をコントロールする能力の向上が示されたほか、「善玉」コレステロール値にもやや上昇がみられた。.これらの差は「軽度~中等度」であったものの、統計的に有意であった。また過体重やその他の健康問題の有無にかかわらず、同様の効果が示された。しかし、チョコレートが健康に実益をもたらすのかどうかは明らかになっておらず、長期的な影響についてはさらに研究を重ねる必要があると、研究著者らは述べている。.現時点でチョコレートの至適な摂取量についてはわかっていないが、ほとんどの既存研究はダークチョコレート(「ビタースイート」「セミスイート」とも呼ばれる)を対象としたものであったという。ダークチョコレートはカカオの含有率が高く(60%以上)、砂糖は少ないか、全く含まれていない。今回の知見を、砂糖や脂肪分の量が異なる他のチョコレート菓子に一般化すべきではないと、研究共著者のSimin Liu氏は指摘している。.今回の研究には参加していない専門家、米ルイジアナ州立大学栄養食品科学科非常勤教授のJohn Finley氏は、「カカオフラバノールが有益である理由は、糖尿病や心疾患に関連する炎症を抑える作用があるためだ」と話し、「カカオの効果を打ち消さないためには、無糖のカカオサプリメントを用いるか、健康によい食品にカカオを追加するとよい。オートミールにスプーン2杯ほどのココアをかけたり、エクストラダークココアを利用したりすると効果的だ」と勧めている。.今回の報告は「The Journal of Nutrition」オンライン版に9月28日掲載された。(HealthDay News 2016年10月20日).https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/misc-stroke-related-heart-news-360/more-evidence-that-chocolate-may-be-good-for-you-715932.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.