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軽症COPD患者に酸素療法はほとんど効果なし(2016.11.2配信)

比較的軽度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者には、酸素療法の有効性が認められないとの研究結果が、「New England Journal of Medicine」10月27日号に掲載された。

COPDは慢性気管支炎と肺気腫の総称で、米国では死亡原因の第3位となっている。一般的な治療法のひとつとして、携帯用・在宅用の装置を用いた酸素投与が行われる。しかし、酸素療法は重度の低酸素血症がある患者では余命を延ばす効果が確認されているものの、中等度の患者への効果はこれまでわかっていなかった。

今回の研究を実施した米ジョンズ・ホプキンズ大学医学校(ボルチモア)肺・救急医学部教授のRobert Wise氏らは、持続的または労作時に中等度の血中酸素濃度低下のみられるCOPD患者738人を、酸素投与を受ける群と受けない群に無作為に割りつけた。その後の6年間で、生活の質(QOL)、入院予防、余命延長のいずれでも、酸素療法群のほうが改善したとの証拠は認められなかった。

その理由は明らかでないが、酸素濃度低下による有害な影響は、特定の閾値を超えた場合にのみ生じる可能性があるとWise氏は説明する。ただし、酸素療法に意味がないわけではないと同氏は強調する。重度の酸素欠乏にはもちろん有効であるほか、中等度の患者でも運動誘発性低酸素血症がある場合は、酸素投与により症状が改善する可能性があるという。「ただし、酸素療法で症状の改善がみられない場合は医師に相談し、今回の新たなエビデンスに基づいて治療を検討すべきである」と同氏は勧めている。

また、酸素療法には注意点もあるという。概ね安全な治療法ではあるものの、患者が装置につまずいて転倒する危険があるほか、酸素は燃焼を促進するため、火災の一因となる可能性もある。今回の試験では、患者2人が装置につまずき入院が必要となり、5人が火災や火傷を報告している。さらに、費用の負担が大きいという問題も指摘されている。

論文の付随論説を執筆したスウェーデン、ルンド大学呼吸器内科のMagnus Ekstrom氏は、酸素療法の開始時に重度の低酸素血症がみられた患者でも、時間が経過すればCOPDが改善することもあるため注意が必要だと指摘する。酸素療法による便益があるかどうかは、6分間歩行テストなどで評価することができるという。

Wise氏らはさらに、COPDの治療法にはほかにも薬物治療や肺リハビリテーションプログラムなどがあると強調し、「COPDは予防も治療も可能な疾患だ」と付け加えている。(HealthDay News 2016年10月26日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/copd-966/oxygen-therapy-no-help-for-those-with-milder-copd-716216.html

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