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腹部大動脈瘤は慢性腎臓病と独立して関連する ――糖尿病とは負の関連示す、岡山大の研究グループ(2016.11.7配信)

日本人集団での調査において、慢性腎臓病(CKD)は腹部大動脈瘤(AAA)の罹患と独立して正相関する一方で、糖尿病とAAA罹患は負の相関を示すことが、岡山大学大学院CKD・CVD地域連携・心腎血管病態解析学講座の内田治仁氏らの研究グループによる検討でわかった。CKD患者では、より早期の段階から超音波検査によるAAAスクリーニングを受ける必要があるという。また、高血圧、虚血性心疾患(IHD)などの他の心血管リスク因子もAAAの独立した関連因子であった。詳細は「PLOS ONE」オンライン版に10月20日掲載された。

AAAのリスク因子には、喫煙習慣や高血圧、男性、加齢、AAAの家族歴のほか、動脈硬化が挙げられている。これまで動脈硬化の進展に深く関わるCKDと糖尿病がAAAの罹患に及ぼす影響については明らかにされていなかった。

そこで今回、研究グループはAAAを有する患者と有さない患者を対象に、CKDや糖尿病などの心血管リスク因子との関連を検証する症例対照研究のほか、CKD患者および糖尿病患者を対象にAAAの有病率を調査する観察研究を行った。

研究グループはまず、2008~2014年に腹部CT検査でAAAと診断された患者261人(AAA+群)と、年齢と性をマッチさせたAAAを有さない患者261人(AAA-群)を後ろ向きに解析し、心血管リスク因子とAAA罹患との関連を調べた。次に、後ろ向きに登録した腹部CT検査を行ったCKD患者1,126人と糖尿病患者400人を対象に、AAA有病率を調査した。

なお、AAAの診断は、短軸像の大動脈径が最大3.0cmを超える場合と定義した。心血管リスク因子には、BMI、高血圧、脂質異常症、糖尿病、CKD、喫煙習慣、IHD、脳卒中を含めた。

その結果、CKDの有病率はAAA-群に比べてAAA+群で有意に高かった一方で(65%対52%、P=0.004)、糖尿病の有病率は有意に低い(17%対35%、P<0.001)ことがわかった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、心血管リスク因子のうち、高血圧とCKD、IHDの既往、脂質異常症はAAAの独立した関連因子であったが、糖尿病とAAAとの間には負の関連が認められた。

また、AAA有病率に関する調査から、CKD患者1,126人における有病率は2.5%、糖尿病患者400人では0.5%であることがわかった。AAA有病率は、CKD患者では加齢に伴い上昇し、65歳以上では5.1%であったのに対し、糖尿病患者では年齢群による差はみられず、65歳以上の有病率は0.6%であった。(HealthDay News 2016年11月7日)

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