Illustration of Human Internal Kidney Anatomy
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転写因子「Nrf2」の活性化が腎臓病の進行抑制の鍵 ――東北大の研究グループ(2016.11.7配信)

東北メディカル・メガバンク機構地域医療支援部門の祢津昌広氏と東北大学大学院医学系研究科の鈴木教郎氏らの研究グループは、腎臓が障害を受けた際に大量に発生する酸化ストレスが、腎臓病が進行する原因であり、腎障害の急性期に酸化ストレスへの抵抗性を高める転写因子「Nrf2」活性化剤を服用すると、慢性腎臓病(CKD)への進行を抑えられることを突き止めた。CKDの予防や治療法の開発に新たな展開をもたらすものと期待される。研究の詳細は、「Kidney International」オンライン版に10月24日掲載された。

敗血症や大量出血、心臓病、血管形成術の施行などで腎臓に流れる血流量が不安定になると、急激に腎機能が低下する急性腎障害(AKI)が引き起こされる。これまでの研究で、このAKI病態下では酸化ストレスが大量に発生し、これが腎臓を損傷することが指摘されてきた。また、AKIは高血圧や糖尿病などの慢性疾患が併存すると完全には改善せず、徐々に進行してCKDに至り、さらには心血管イベントの発生や血液透析の導入につながることがわかっている。

研究グループは今回、AKIの段階で酸化ストレスを減らすことができれば、CKDへの進行を抑えられるとの仮説をたて、マウスを用いた研究を行った。

研究グループではすでに、酸化ストレスに対する反応において重要な役割を担う転写因子「Nrf2」を活性化させた、酸化ストレスを消去する能力が高い遺伝子改変マウスを作製している。まず、このマウスに人工的にAKIを起こしたところ、その後発症したCKDは軽症ですむことを見出した。さらに、AKIを起こしたマウスに、AKI発症後1~5日の間にNrf2活性化剤を服用させたところ、2週間後の時点でのCKDへの進行が抑制されることがわかった。一方で、AKI発症後7日以降に同剤を服用させてもCKDへの進行は抑えられなかったという。(HealthDay News 2016年11月7日)

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