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遺伝子検査で血栓リスクの高い化学療法患者を特定(2016.11.10配信)

遺伝子検査により、静脈内に血栓ができるリスクの高い乳がん患者を特定できる可能性が、新たな研究で示唆された。

静脈血栓塞栓症(VTE)は、化学療法などのがん治療中に生じることのある重篤な合併症で、死に至ることもある。乳がんは最もよくみられるがんの1つであるため、がん関連のVTE症例では乳がん患者が多数を占めていると、研究著者であるカロリンスカ研究所(スウェーデン、ストックホルム)博士研究員のJudith Brand氏は説明している。

VTEは抗凝固薬による治療で予防することができるが、この治療には出血などの副作用があるため、化学療法を受ける患者に無条件で使用することはできないという。

今回の研究では、2001年から2008年までに乳がんと診断されたスウェーデンの女性4,200人以上を対象とし、2012年まで追跡した。化学療法を受けており、遺伝的リスクの高い人ではVTEの1年発症率が9.5%であったのに対し、化学療法を受けておらず、遺伝的リスクの低い人では1.3%であった。

遺伝的感受性が高く、化学療法を受けている高齢の患者ではVTEリスクが最も高くなる。遺伝的リスクの高い60歳以上の患者が化学療法を受けているとき、1年発症率は25%であった。この研究結果は「Clinical Cancer Research」11月号に掲載された。

Brand氏は、「現在のところ実臨床では、化学療法を受ける乳がん患者に対してVTE予防のための検査は習慣的には行われていない。われわれの研究から、VTE発症リスクの高い患者を特定するために、遺伝的感受性に関する情報を利用できることが示唆された」と同誌のニュースリリースのなかで述べている。

この知見は、化学療法を受ける外来患者のVTEリスクと予防治療を評価する今後の研究の指針となる可能性もあるとBrand氏は述べ、「高齢患者は特に遺伝的影響が強く、VTEの発症率も高いことから、今後のリスク分類の取り組みにおいて特に注目する必要がある」と結論づけている。(HealthDay News 2016年11月1日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/clots-health-news-731/genetic-test-might-id-chemo-patients-at-risk-of-clots-study-716355.html

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