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早期乳がん患者に集中的な化学療法による便益はほとんどない(2016.11.17配信)

高リスクの早期乳がん患者に、標準よりも集中的な化学療法を実施しても、便益はほとんど得られないことがヨーロッパの研究グループにより報告され、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」11月8日号に掲載された。

個別化ドーズデンス化学療法(tailored dose-dense chemotherapy)と呼ばれる治療法では、全体の投与量は増やさずに従来よりも短期間で治療薬を投与する。この治療法は早期乳がんの治療効果を向上させる方法として提唱されていたが、今回の研究によると、5年間の無再発生存率にも全生存率にも、標準治療との差が認められなかったという。ただし、無事象生存率(乳がんの再発、対側乳房のがん、その他の悪性腫瘍、原因を問わない死亡のいずれかが生じるまでの期間)はドーズデンス群のほうが優れていた。

カロリンスカ研究所・大学病院(スウェーデン、ストックホルム)のJonas Bergh氏が率いた今回の研究では、2,000人強の乳がんの女性を無作為に標準化学療法群とドーズデンス群に割り付けた。被験者はいずれもリンパ節陽性乳がんまたはハイリスクのリンパ節陰性乳がんで手術を受けていた。5年後、ドーズデンス群の89%、標準治療群の85%が生存しており、ドーズデンス群の無事象生存率は87%であったのに対し、標準治療群では82%であった。生活の質(QOL)と副作用に関する質問では、ドーズデンス群には性的機能などのQOLパラメータ、疲労感などの副作用に悪化がみられた。

米シティー・オブ・ホープがんセンター(カリフォルニア州デュアルテ)のJoanne Mortimer氏は、ドーズデンス化学療法はいわゆるトリプルネガティブ乳がんには優れた治療法であるとの考えを述べている。トリプルネガティブ乳がんはエストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2陰性のがんで、侵襲性が強く再発しやすいことがある。

Mortimer氏によると、2010年に発表された別の研究では、3,000人を超える乳がん患者をレビューし、2つの治療法を比較した結果、特にホルモン受容体陰性のがんではドーズデンス療法のほうが全生存率と無病生存率が優れていた。また、ドーズデンス療法は通常よりも短期間で化学療法を終えることができる点で、多くの女性に歓迎されると考えられるという。ドーズデンス療法は一般に2週に1回の投与を8週間続けるのに対し、標準の化学療法は3週に1回の投与で計12週続く。ただし、集中的な治療は血球数の低下をもたらすことがあるため、白血球増殖因子を併用する必要があるという。(HealthDay News 2016年11月9日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/more-intense-chemo-offers-no-benefit-against-early-breast-cancers-study-716672.html

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