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脳MRI検査で認知症の診断と治療が向上(2016.11.17配信)

世界では何千万人もの人が認知症による記憶障害や精神機能障害に悩んでいるが、新たな研究で、軽度認知障害のみられる患者が後にアルツハイマー病になるか、レビー小体型認知症になるかを見分けるのに脳MRI検査が有用であることが明らかにされた。レビー小体型認知症になった人のMRI画像では、海馬と呼ばれる記憶に関連する脳部位の縮小がみられなかったという。

研究著者である米メイヨー・クリニック(ミネソタ州ロチェスター)のKejal Kantarci氏は、「有望な治療法による早期介入を行うためにはレビー小体型認知症のリスクをもつ患者を特定することが不可欠だ。早期診断は、投与すべきでない薬剤を判断するうえでも有用である」と指摘する。たとえば、レビー小体病患者の半数は抗精神病薬により重篤な副作用が生じることがあるという。

Kantarci氏らは、2005年より思考力や記憶力に軽度の障害のみられる患者160人を追跡し、MRI検査で被験者の海馬の大きさを測定した。MRIは強力な磁界、電波、コンピュータを用いて脳の詳細な像を作成するもので、海馬の容積は撮影画像の目視と診断ツールにより測定できるという。被験者に平均2年間、年1回の評価を実施した。研究期間中に61人がアルツハイマー病を発症し、21人がレビー小体型とみられる認知症になった。

レビー小体は神経細胞内に発生する異常な蛋白群。レビー小体型認知症はアルツハイマー病に次いで多い変性性認知症だが、患者の死亡後に解剖をするまで確定的な診断はできないという。

研究の結果、海馬の大きさに変化のなかった人は、海馬の縮小がみられた人に比べて、レビー小体型認知症になる確率がほぼ6倍であった。レビー小体型認知症とみられる20人中17人(85%)が正常な海馬容積を維持しており、アルツハイマー病を発症した61人中37人(61%)には海馬の縮小がみられたことがわかった。

米ノースウェル・ヘルス(ニューヨーク州グレートネック)のGisele Wolf-Klein氏によると、レビー小体病の症状には、錯乱、意識清明度の日々の変動、硬直、幻視、レム睡眠行動障害、時として暴力などがあり、パーキンソン病のような運動異常もみられるという。アルツハイマー病の患者に用いられる抗精神病薬が奏効しないため、認知症の種類を区別することが重要であると、同氏は説明している。

今回の研究は「American Academy of Neurology」オンライン版に11月2日掲載された。(HealthDay News 2016年11月8日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/dementia-news-738/brain-scans-may-improve-dementia-diagnosis-treatment-716495.html

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