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現代人が抱える「自覚できない」睡眠不足 ――睡眠不足の解消が内分泌機能の改善につながる(2016.11.21配信)

現代人の多くは、眠気などの症状が乏しく、自覚できない潜在的な睡眠不足のリスクを抱えており、本人が気づかないところで健康への悪影響を長期にわたって受けている可能性が、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部の三島和夫氏らの研究グループによる検討でわかった。こうした睡眠不足の解消は、空腹時血糖値やインスリン分泌能などの内分泌機能の改善につながることからも、無視できない生活習慣因子であるとしている。詳細は「Scientific Reports」オンライン版に10月24日掲載された。

これまでの疫学研究で、日本人の睡眠時間は長すぎても短すぎても糖尿病やうつ病などのさまざまな健康リスクを上昇させることが報告されている。しかし、心身を健康に保つために必要な睡眠時間や個人差に関する知見は限られていた。研究グループは今回、健康な成人男性を対象に、各個人の睡眠不足度を定量評価するとともに、睡眠時間が内分泌機能に及ぼす影響について検討した。

対象は健康な成人男性15人(平均年齢23.4歳)。まずは自宅での習慣的な睡眠時間を2週間記録してもらい、その後、実験室内で9日間、1晩で12時間の十分な睡眠をとってもらう睡眠延長試験に参加してもらった。実験室内での必要睡眠時間と、自宅で測定した習慣的な睡眠時間との差を自覚できない「潜在的な睡眠不足」として算出した。

その結果、自宅での習慣的な睡眠時間は平均で7.37時間(7時間22分)であり、参加者は普段の生活で睡眠不足を自覚していないことがわかった。一方で、睡眠延長試験では、初日の睡眠時間は平均で10時間以上に及び、その後は漸減したものの、在宅での習慣的な睡眠時間を上回って推移した。推定される必要睡眠時間は平均8.41時間(8時間25分)で、習慣的な睡眠時間とは平均で1時間の差があることも判明した。

また、睡眠延長試験中に睡眠不足を解消することで、眠気の改善だけでなく、空腹時血糖値が低下し、インスリン分泌能(HOMA-β)が増大するなど内分泌機能が改善することがわかった。さらに、細胞代謝に関わる甲状腺刺激ホルモンや遊離サイロキシン(T4)濃度が上昇した一方で、ストレスホルモンとして知られる副腎皮質刺激ホルモンやコルチゾール濃度は低下していた。(HealthDay News 2016年11月21日)

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